2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K05628
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
富永 晃好 静岡大学, 農学部, 助教 (50776490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 祥子 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 室長 (20343973)
中塚 貴司 静岡大学, 農学部, 教授 (60435576)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ガーベラ / 突然変異 / 日持ち / 雄性不稔 / 全ゲノム解析 / トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、雄性不稔(無花粉)ガーベラ変異体の表現型解析と分子メカニズム解析を実施することで、元品種の形質を損なわない超日持ち性ガーベラを作出することを目的とする。 当該年度においては、変異体の表現型解析を行った。変異体では日持ち性が野生型に比べ有意に日持ち日数が長く、茎が長い一方、茎径が細く花径が小さくなるという負の形質も有していた。そこでこれらの負の形質を改善する一つの方法として、生長点培養苗のコルヒチン処理による倍数性変異体の作出を試みた。現在4倍体のガーベラの作出に成功し、花の表現型を確認中である。 また、RNAseqによる網羅的な発現解析を実施し、変異体特異的な遺伝子発現メカニズムを解析した。その結果、変異体では野生型に比べ花粉形成に重要であるスポロポレニンの合成関連遺伝子がほとんど発現していないことが明らかになった。 さらに、昨年度に引き続きガーベラゲノムのリファレンス配列の構築を行った。その結果、総遺伝子数は50,233となり、BUSCO による評価もcomplete 97.6 % と非常に高く高精度な参照ゲノム配列を整備することが出来た。現在変異体の全ゲノム配列も解読中であり、今後比較ゲノム解析による原因遺伝子の絞り込みを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究では、変異体の表現型で園芸利用の観点から負の形質も見られたため、当初の計画に加え、コルヒチン処理による倍数性変異体の作出も行い、無花粉変異体を用いたさらなる実用性の高い個体の作出を試みた。また、昨年度に引き続き高精度なガーベラ参照ゲノム配列の整備と原因遺伝子の探索を進行中である。また、RNA-seqによるトランスクリプトーム解析も完了し、分子メカニズム解析も順調に進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ガーベラが属するキク科植物は、キクタニギク、レタスおよびヒマワリなどの全ゲノム解読が報告されているが、キク科植物はゲノム構造が複雑な傾向にあり、染色体構造レベルまで整備されたキク科のゲノムデータベースはない。現在、ガーベラの参照ゲノム配列の整備が完了したため、比較解析による無花粉変異体の原因候補遺伝子の同定と機能解析を行う計画である。また、コルヒチン処理による変異体の倍数性変異体を作出したため、日持ち形質のみでなく茎径や花径等の実用性も含めて評価を行う予定である。
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Research Products
(1 results)