2022 Fiscal Year Research-status Report
近代庭園における遺跡由来石造物の取り扱いとインタープリテーションに関する研究
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22K05722
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
内田 和伸 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, 部長 (30249974)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近世城跡 / 移築遺構 / 朝鮮灯籠 / 礎石 / 伽藍石 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は移築された遺跡由来の石造物だけでなく、建造物遺構についても幅広く把握することをおこなった。具体的には、近世城跡から移築された城郭建築遺構について、Ⅰ公園など公共団体の管理地に移築されているものとⅡ社寺に移築されているもの、Ⅲ民家に移築されているものに分けて、Ⅰについては移築に伴う発掘遺構との関係性、Ⅱについては所有者の保存意識等について考察を行い、保存の在り方を論じた。 移設された石造物については、東大寺の礎石を取り上げ、近代になって関西を代表する数寄者が大阪に設けた邸宅の庭石に移設したものであるが、建物と庭園を引き継いでいた会社がそれらを売却し、礎石をはじめとする製造物の購入者が芸術家杉本博司氏であった。氏は設立した小田原市内の財団が運営する文化施設に移設し公開したため、現地調査をおこなった。史跡整備の観点からは本来的な位置へ戻されることが望ましかったが、石造物は美術品扱いであり、それが難しいことがわかった。 奈良市内の近代庭園でも古建築・遺材の利用が見られ、朝鮮王朝時代の貴人の墓に用いられた朝鮮燈籠が二基確認できた。 上記の内容については、『移築された遺跡由来の遺構および石造物の現状と課題』の中で、 「近世城跡から移築された城郭建築遺構の保存・活用について」、「奈良市内の近代庭園における古材利用」、「移築・移設された遺跡由来の遺構・石造物について」で詳述している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査も行え、それを活かした研究成果も3本公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で現地調査は十分おこなえなかったことから、次年度には現地調査を充実させたい。また、県庁文書の調査により、遺跡保存とくに遺跡の中の石造物の取扱いについて知見を得たい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で現地調査が十分ではなかった。次年度、現地調査等で使用する予定である。
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Research Products
(3 results)