2022 Fiscal Year Research-status Report
Forest productivity mapping by fusion of multi-temporal aerial photographs and aerial laser scanning
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22K05726
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
村上 拓彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20332843)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 航空レーザ計測 / 林齢 / 森林簿 / 空中写真 / SfM / オルソモザイク / 地位指数曲線 / 樹頂点抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空レーザ計測の進展により広域で樹高推定が可能となってきている。この樹高データを様々な林齢の林分から収集することができれば,従来にない規模のデータを用いて地位指数曲線を得ることができる。林齢情報は森林簿に頼ることも可能であるがその精度は不十分であることも多い。本研究では客観的に林齢情報を提供するデータとして時系列空中写真に着目した。樹高を航空機LiDARデータ,林齢情報を時系列空中写真からそれぞれ収集し,地位指数曲線を得る手法の構築に取り組んだ。本研究の対象地は新潟県村上市山北地域(解析範囲:25,574ha)である。航空レーザ計測データとして,2020,2021年に同地域で計測されたデータを使用した。空中写真データ(400dpi)は国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスを通して入手した。空中写真データはSfMソフトウェア(Metashape)を使用しオルソモザイクに加工した。各時点のオルソモザイクを二時期で組み合わせて,オブジェクトベース画像分類を通して森林変化点を抽出した。このデータを用いて,森林簿の情報も参考にしながら各林分の林齢を推定した。揃えた林齢と上層樹高を用いてガイドカーブを求め,一組の地位指数曲線を得た。今回,全ての林齢の情報を得ることは困難であったため,既往の研究で用いられたデータを補助的に利用し,地位指数曲線を求めた。今回確立した手法に基づいてさらに広範囲のデータを用いて全県データを用いた地位指数曲線の完成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,航空レーザ計測データ,時系列空中写真,(DEMから算出される)地形因子を用いて林地生産力を指標する地位指数のマッピング手法を検討することである。具体的には,人工林を対象として以下の課題に取り組む。航空レーザ計測データと時系列空中写真に基づく地位指数マッピング:航空レーザ計測データから高さ情報を得る。時系列空中写真からは時間情報を得る。これらを組み合わせて地位指数マップを作成する手法を開発する。地形因子に基づく地位指数マッピング:得られた地位指数マップとDEMから算出される地形因子を組み合わせてより広域の地位指数マップ作成手法を開発する。 現在までのところ,前半の課題について予定どおり進めることができた。国土地理院から得られる空中写真をSfMソフトを用いて適切にオルソモザイクデータに変換する手法について一連の手順をまとめることができた。さまざまな時点における空中写真を位置精度の高いデータに変換することにより,時系列空中写真を用いた林齢マップの作成手法が実現できるようになった。時系列空中写真を用いた林齢マップの作成手法について,森林簿情報と組み合わせた手法について構築することも検討できた。航空レーザ計測データからDCHM(数値林冠高モデル)を求める過程で,ピクセルサイズについて検討し最も妥当なサイズを決定することができた。地位指数曲線を求めるまでの一連の流れについても確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第一段階の対象地は新潟県村上市の人工林である。新潟県北エリアは県内有数の林業地である。第一段階では時系列空中写真と航空レーザ計測データを用いた地位指数マッピング手法の開発に取り組む。第二段階では第一段階の成果を用いて,地形因子による地位指数の推定モデルを構築し,より広域のマッピング手法の開発に取り組む。第二段階の解析は新潟県全域を対象とする。 まずは航空レーザ計測が実施された範囲のみに限定して,上層木平均樹高と林齢情報を収集し,広域スケール(全県スケール)での地位指数曲線の完成を目指す。第一段階は新潟県北エリアのみを対象としたが,ここで確立した手法を他地域に拡張していく。第二段階では,林地生産力に強く関わる地形因子として有効起伏量,露出度,斜面中心角に着目する。今回,地形因子の計算に関してより汎用的なツールとするため,あらたにプログラミングをし直す。従来手法では地位指数と地形因子の関係を重回帰(寺岡ら1991),ニューラルネット(美濃羽ら2005),深層学習(廣瀬・松村2018)などでモデル化されている。モデリング手法として一般化線形モデルや機械学習,深層学習を検討する。DEM を用いた地位指数の広域のマッピングを試みる。
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