2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of clinical diagnosis on fish disease using small RNA
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22K05833
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小山 喬 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (40749701)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | やせ病 / 多検体mRNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トラフグのやせ病をモデルとして、魚類感染症の感染初期に宿主体液中に現れる小分子RNAを同定し、当該小分子RNAを非侵襲的に検出する方法を開発することを目的として研究を進めている。 令和4年度は、宿主遺伝子発現情報をもとにした感染ステージの分類を行うため、トラフグをやせ病に人為感染させ、標的組織である腸管の経時サンプリングと、それより抽出したtotal RNAを材料に多検体mRNA-seq解析を行った。
約300検体を解析に付したところ、やせ病感染トラフグの腸管トランスクリプトーム情報を元に、感染状態を少なくとも3ステージに分類できることを明らかした。これらのうち、感染初期に特徴的に現れたグループは、やせ病PCR検査陰性であった。よって、宿主トランスクリプトーム情報を用いれば、従来法よりも早くやせ病感染を検出できる可能性が示唆された。しかしその一方、腸管の遺伝子発現は外環境による遺伝子発現変化が大きく、感染ステージの把握を行う組織として適当ではない可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想通り、宿主トランスクリプトーム情報をもとに、感染ステージ分類が可能だったため。
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Strategy for Future Research Activity |
再度感染試験と多検体mRNA-seq解析を実施する。令和5年度は腸管に加えて、頭腎や脾臓、白血球などの免疫関連組織についても同様の試験を実施し、やせ病感染を最も早く検知し、かつ感染状態を細分化できる「センシング組織」の同定を目指す。 また、トラフグ糞便および血漿を対象に、小分子RNA解析に適した体液保存法および小分子RNA抽出法を検討する。
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Causes of Carryover |
ほぼ全額を使用したが、少額の余りが出てしまった。 基金であるため問題ないと判断し、翌年度に繰り越して使用することとした。 次年度繰越金は、令和5年度に再実施する多検体mRNA-seq解析に必要な試薬購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)