2023 Fiscal Year Research-status Report
韓国における公益型直接支払いへの転換と農業構造変動に関する実証研究
Project/Area Number |
22K05869
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
品川 優 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10363417)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 韓国農業 / 直接支払い / 環境保全 / 農業構造 / トゥルニョク経営体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、韓国において既存の6つの直接支払いを統合して、新たに設けた公益型直接支払いに焦点をあて、現地調査等を通じて小規模農家の農業生産活動の維持及び公益的機能の発揮に及ぼす効果と課題、大規模農家や農業者生産組織(トゥルニョク経営体)当構造改善に与える影響とその課題、公益型直接支払いの導入で価格下落時のセーフティ・ネット機能が消失したことによる農家全体への影響(公益性の発揮、小規模農家の営農継続条件、構造改善)などを明らかにし、今後の韓国における公益性の確保と小規模農家の継続性確保、構造改善とそのあり様を、実践的な形で検証することが本研究の目的である。 本年度は、韓国の担当部局より公益型直接支払いの交付実績に関する資料とヒアリングをおこない、公益型直接支払いの諸論点として1)地目・作目間の交付格差、2)規模階層間の受給格差、3)階層別における交付金の経済的意味、4)構造改善への影響、5)米需給 の変化、6)米価への影響とその対応、7)米から他作物への転換を促す畑作物への直接支払いの実績、の7つの整理をおこない、検討・考察をしているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響から解放され、軌道に乗り出したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
テーマに関する論文やデータ、政策実施状況等について、研究対象国に渡航し収集及びヒアリング調査等をおこなう。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスにより期間延長している科研費(韓国の米産業発展対策における米農業の競争力強化に関する実証研究)の研究費残額を優先的に使用したため。
|