2022 Fiscal Year Research-status Report
Proposal of energy-saving design guideline for the threshing room of a Japanese head feeding-type combine based the prediction of threshing performance
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22K05910
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平井 康丸 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10432949)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コンバイン / 収穫 / 脱穀 / 省エネ / 設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は我が国の米麦の収穫に用いられる自脱コンバインにおいて,所要動力の4~5割を占める脱穀部の省エネ設計理論を追究するものである。脱穀性能の予測の確立に基づく省エネの設計指針を提示するために,R4年度は「こぎ室を通過する刈稈層の空間分布の解析法の開発」に取り組んだ。 まず,こぎ室内の刈稈層の搬送姿勢を解析する前段階として,こぎ室内で搬送される刈稈層の茎の重なり指数を計測した。2条刈りコンバイン(Ee-3,ヤンマー)を用いて,低中高の3走行速度,各3反復で収穫試験を実施した。その結果,重なり指数は低速で0.41,中速で0.58,高速で0.72となった。 続いて,搬送チェーンの株元の狭持位置とこぎ胴と受け網間の穂が通過する空間との位置関係,刈稈の曲げ剛性,受け網等による支持状態を考慮して刈稈の傾斜・曲げ変形を解析する式を作成した。本解析式の妥当性を検討するために,まず,単体の稲の搬送姿勢を自動脱穀機(新規購入:HMD70、イセキ)により再現し、3Dスキャナー(現有:GO!SCAN50TM)により計測した。実測値と解析値を比較した結果,茎,穂ともに十分な精度が得られなかった。この理由は,搬送チェーンの狭持作用が解析式に反映されていないこと,受け網と穂の間の摩擦作用,穂の初期形状を考慮していないことが理由と推察された。 また,自動脱穀機を用いた刈稈層の搬送姿勢の撮影実験において,補強歯で脱穀される前に整そ歯で刈稈層の姿勢が乱されることが明らかになった。したがって,当初立てていた脱穀前の刈稈層の姿勢を解析的に推定することは難しいと判断した。そこで,刈稈層のこぎ室内での姿勢の変化の特徴をPIV(粒子画像流速測定法)解析を用いて明らかにすることを試みている。本アプローチはR5年度において有効性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では脱穀性能の予測に基づく脱穀部の省エネの設計指針の提示を目指すものである。脱穀性能の予測には,こぎ室内での刈稈層の搬送姿勢の推定が重要である。当初本研究では,刈稈層の搬送姿勢を,弾性はりのたわみ姿勢解析に用いられる大たわみ式を適用した解析式により推定しようとした。しかし,自動脱穀機を用いた刈稈層の搬送姿勢の撮影実験において,補強歯で脱穀される前に整そ歯で刈稈層の姿勢が乱されることが明らかになった。したがって,申請時の計画を変更しなければならなくなり,進捗としては若干遅れている。一方,こぎ室内の刈稈層の姿勢変化の特徴をPIV(粒子画像流速測定法)解析を用いて明らかにするアプローチに活路を見出しつつある。R5年度早々に本アプローチで課題を解決し,進捗の遅れを取り戻す所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は,まず,こぎ室内の刈稈層の姿勢変化の特徴をPIV(粒子画像流速測定法)解析を用いて明らかにする。次に,こぎ室の区間別(約5 cm間隔)に脱粒性能(脱粒,穂切れ,藁切れの発生)を把握し,こぎ歯の刈稈層への通過軌跡との関係式を作成する。 自動脱穀機を用いて,刈稈層の搬送速度と流量の各3段階の組み合わせについて実験する。まず,こぎ室の入口から任意の区間までの,刈稈層通過前後の籾数,穂数,茎数,穂長・茎長を比較することにより,累積の脱粒率,穂切れ率,藁切れ率を計測する。次に,各区間までの累積の発生率の差から,各区間独立の発生率を得る。 さらに,こぎ室の区間別のこぎ歯の通過軌跡の特性(打穀数,位置,角度)と脱粒率,穂切れ率,藁切れ率を関係付ける予測式を,多変量解析や機械学習の手法を援用して作成する。刈稈層の搬送流量・速度・層厚の適用範囲を明らかにし,脱穀性能の予測法として完成する。
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