2022 Fiscal Year Research-status Report
Parboiling method to reduce the stress crack of corn kernel
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22K05916
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
金井 源太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 上級研究員 (40355508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折笠 貴寛 岩手大学, 農学部, 准教授 (30466007)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パーボイリング / トウモロコシ / コメ / ムギ / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
トウモロコシ、コメ、ムギについて、パーボイリング試験を行った。慣行のパーボイリング処理として、オートクレーブにて121℃30分間の条件での処理、マイクロ波処理として、電子レンジで100℃程度に達する条件での処理、対象区として常温通風乾燥処理を行った。パーボイリング処理とマイクロ波処理については、処理後に常温通風乾燥を行った。慣行栽培をしたデントコーン(2021年収穫試料)については、破壊強度を測定し、慣行パーボイリング処理後に再度破壊強度を測定した。各区について、共同研究者の岩手大学折笠准教授および同技術部小室岬職員、佐々木邦明職員が、電子顕微鏡による画像撮影および検討を行った結果、加熱処理を行った場合、内部のデンプンがガラス化するが、処理状況により一様になる場合と若干のムラが発生する場合があることが分かった。また、パーボイリング処理、マイクロ波処理を行った区についても、内部に亀裂や空洞が発生する場合があり、いずれの処理区についても、処理後の破壊強度のばらつきが認められ、要因として、水分条件とともに、内部のクラックの状態によると推察された。 各区について、RVA分析によるデンプン特性の測定を行った結果、いずれの処理区でも熱が十分にかかった区では、RVAのピークがはっきりせず測定不能であった。デンプンが加熱により変質し、通常の曲線とならなかったためと考えられる。いずれの穀物でも、そのまま食用や飼料とするのではなく、加工する場合には留意する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度の検討によって、トウモロコシ子実は、コメ、ムギと比較して、粒が大きいことから、パーボイリング処理により内部に空隙が発生する場合があり、その場合は、物理的な強度が著しく低くなることがあることがわかった。物理的な強度がばらつくと、穀物の処理手法としては不適なため、「パーボイリング処理」の温度条件等について、再考する必要性がでてきたため、当初の予定より若干の遅延が発生している。温度条件を下げることで、粒の内部での気化によってクラックが発生することを緩和する手法について検討中である。 また、RVA分析によるといずれのパーボイリング処理によっても、十分に熱がかかった場合デンプン品質の変質が認められた。一方で、マイクロ波処理では短時間で加熱することか可能であり、通風によって温度上昇を抑えることで、デンプン品質を維持しつつ、乾燥処理を行える期待がもてるため、パーボイル処理ではないが、穀物のマイクロ波乾燥についても併せて検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
パーボイリングによる物理的強度の向上を引き続き検討するとともに、マイクロ波加熱によるトウモロコシ子実をはじめとした穀物乾燥特性も併せて検討することで、ポストハーベスト処理による穀物品質の高度化をはかる研究として推進する。
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Causes of Carryover |
東北研にて所有の機器を一部利用することができるようになったため、パーボイリングに利用するオートクレーブなどは購入の必要がなくなった。次年度、マイクロ波処理によるパーボイリングと穀物乾燥の可能性についての検討を行うため、光ファイバー温度計を調達することとした。
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