2023 Fiscal Year Research-status Report
二酸化窒素による転写制御因子の翻訳後修飾を介した植物成長制御機序の解明
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22K05935
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 美佐 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 助教 (10294513)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 二酸化窒素 / シロイヌナズナ / PIF4 / 環境応答 / タンパク質相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
大気中に含まれる二酸化窒素(NO2; 10~50 ppb)は植物のバイオマス蓄積の促進、器官サイズアップなど栄養成長および花芽形成促進など生殖成長を正に制御する植物成長調節因子である。NO2による転写制御因子の翻訳後修飾、即ち“NO2センシング”を含む同調節分子機構の解明は、大気中成分を活用し「環境無負荷」、「省エネルギー」、「高収量」を実現する作物の画期的遺伝的改良技術の基盤となり得る。申請者はこれまでに、NO2に不感受性を示すPIF4変異株pif4を単離・解析した結果、NO2は転写因子PIF4の転写および翻訳量に影響を及ぼさず、転写活性機能の低下を引き起こすことを明らかにした。昨年度、アフィニティ精製とデータ独立取得(DIA)プロテオミク解析を行い、NO2処理区(+NO2植物)で消失/減少または出現/増加するタンパク質を特定した。本年度は、その中から核局在が示された7つのタンパク質に焦点を当て、PIF4タンパク質のと相互作用を酵母ツーハイブリッド法を用いて解析した。その結果、1つのタンパク質とPIF4が相互作用することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定をしていた解析に関しては、概ね終了することができ、一定の結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、酵母ツーハイブリッド法によって相互作用が確認されたタンパク質に関して、以下の通り今後は研究を進める。 1.該タンパク質とPIF4の相互作用をBiFC法により明らかにする。 2.該タンパク質の機能欠損変異株におけるNO2によるバイオマス蓄積増加および胚軸伸長抑制の消失を検証する。 3.機能欠損変異株におけるPIF4ターゲット遺伝子発現低下を示し、該タンパク質のNO2センシングにおける役割を明らかにする。
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Causes of Carryover |
購入予定であったプラスチック器具が不要になったため。 次年度使用予定のプラスチック器具購入に使用する。
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