2023 Fiscal Year Research-status Report
Assessment of potential myocardial reserve by dobutamine stress echocardiography in dogs with mitral regurgitation
Project/Area Number |
22K05995
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
鈴木 亮平 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80825216)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 僧帽閉鎖不全症 / 負荷心エコー / 心筋ストレイン / 心エコー図検査 / 犬 / モデル / ドブタミン負荷 / 循環器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、臨床現場で多く遭遇する僧帽弁閉鎖不全症およびそれに続発することの多い肺高血圧症病態をターゲットとして、とくに臨床的に把握が困難とされる詳細な心筋機能指標による病態の層別化に取り組んだ。モデル作製による血行動態評価との関連性の検討を基礎データとして、臨床症例における詳細な解析による検討にも取り組み、とくに心筋ストレイン指標において、心機能指標のゴールドスタンダードである心臓カテーテル指標との関係性を解明し、臨床的有用性を学術集会で学会発表し、国際的学術誌で論文として公表した。 また上記研究過程で得られた知見から派生した臨床的病態評価指標を確立し、僧帽弁閉鎖不全症、肺高血圧症に加え、猫の心筋症の病態にも活用し、学会発表および論文公表した。 負荷心エコー指標については、ドブタミンによる薬物負荷のみならず、検査時の興奮性などを利用した生理的な負荷、あるいは治療に利用する薬物投与の前後での評価を負荷心エコー指標として活用することを追加で実施し、現在データを解析中である。この追加した検討の結果がより有用であれば、臨床症例でドブタミン投与による薬物負荷ではなく、より生理的で、安全性の高い、かつ臨床現場で応用しやすい負荷心エコー指標が確立できると考えている。最終年度は、上記で確立した心筋機能指標やそこから派生した臨床的病態評価指標を臨床症例に応用することで、臨床的有用性のさらなる確立、および進行予測や生命予後の推定指標としての有用性を確立していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、研究計画①僧帽弁閉鎖不全症の病態モデル犬における、観血的心機能指標と新規心エコー指標の相同性の検証、②僧帽弁閉鎖不全症の病態モデル犬における、ドブタミン負荷心エコーの安全性の評価が達成され、主要な解析結果の成果公表まで実施できている。 とくに、モデル作製過程において複数の新規心エコー指標の有用性を確立し、学会発表および論文発表を実施した。また僧帽弁閉鎖不全症で併発することの多い肺高血圧症病態について、本研究で確立した心エコー指標を活用した病態および重症度評価を実証し、学会発表および論文発表を実施した。また臨床症例においては、検査時の興奮性などを利用した生理的な負荷、あるいは治療に利用する薬物投与前後での評価を実施し、進行予測因子および生命予後因子としての有用性が期待される結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では、③として臨床症例におけるドブタミン負荷心エコー指標の有用性を検討する予定である。一方で、これまでの研究において、ドブタミンによる薬物負荷のみならず、検査時の興奮性などを利用した生理的な負荷、あるいは治療に利用する薬物の投与前後での評価を活用することも有用な負荷心エコー指標の取得ができる結果が得られている。したがって、この追加した検討の結果がより有用であれば、臨床症例でドブタミン投与による薬物負荷ではなく、生理的な負荷や治療目的で投与する薬物を利用した負荷心エコー指標の有用性を検討する。これらの研究により、より生理的で、安全性の高い、かつ臨床現場で応用しや すい負荷心エコー指標が確立できると考えている。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通りに予算執行を実施したが、予定よりも安価な消耗品購入を実施した物品があり、差額が生じた。翌年度は病態モデルにおける検討を引き続き実施する予定であり、そのために必要となる麻酔薬などの薬物、シリンジや注射針などの消耗品、カテーテル関連の消耗品などの経費を予定している。また生理的負荷やドブタミン以外の薬物による負荷の有用性も確立するために、基礎データの確立を追加で実施するため、消耗品関連に費用が必要となるため使用を予定している。さらに学会発表および論文発表の成果発表に必要となる経費を計上している。
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