2023 Fiscal Year Research-status Report
基底膜タンパク質の局在決定機構と物理構造の必要性の解析
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22K06209
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
伊原 伸治 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (70373272)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 基底膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
b本年度は、ゲノム編集技術を用いて可視化した基底膜の局在解析とハブ毒成分蛋白質の局在パターンの観察、さらにハブ素毒の活性測定を行なった。具体的には基底膜の物理構造を変化させるためにハブ粗毒を用いて基底膜の分解を試みた。 昨年度にゲノム編集技術を用いて可視化して変異型ナイドジェンの変異体と他の基底膜構成蛋白質の変異体と2重変異体を作ることで行動パターンの解析を行なった。また変異型ナイドジェンが他の基底膜蛋白質の局在への影響するのか、それぞれ2重、3重変異体を作ることで解析を行い、それぞれの基底膜構成蛋白質の変異と行動パターンを明らかにする事を試みた。 ハブ素毒が基底膜を分解する濃度を決定するためにハブ素毒を生理食塩水で希釈して用いた。希釈したハブ素毒を線虫にダイレクトインジェクションで注入したところ、可視化したコラーゲンとナイドジェンの分解が観察された。この観察結果は、ハブ素毒が基底膜を直接分解する事を示唆している。さらに蛇祖毒が他の基底膜タンパク質であるスパーク、ラミニン、へミセンチン、パールカンを分解するのかを明らかにするために、それぞれの可視化基底膜を用いて解析を行なった。その結果、どの基底膜タンパク質も顕著な分解が観察された。 以上の実験を行った結果、変異型ナイドジェンが特定の基底膜蛋白質の局在に影響することが明らかになった。またハブ素読は、実験を行った限りすべての基底膜構成タンパク質を顕著に分解することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究時間の確保において想定外の事情があり、研究計画の進行が遅れている。今年度は効率的に研究計画の実施を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ハブ粗毒に加えて、ハブの毒性成分の複数のタンパク質の可視化にもすでに成功しているので、その素毒成分が基底膜の構造にどのように影響するのか、明らかにする。さらに可視化した変異型ナイドジェンの作用機序を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究時間の確保において問題があり、次年度となった。
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