2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K06215
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大林 典彦 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40421979)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小胞輸送 / 色素細胞 / メラノソーム / メラニン |
Outline of Annual Research Achievements |
すでに、小胞輸送調節因子として知られるRab8A、そしてArf6の不活性化を担うACAP1がin vitroで相互作用することを見出している。メラノサイトにおいてRab8AとACAP1の局在を観察したところ、多くは細胞辺縁部における共局在性が観察されたが、一部メラノソームにおいて二分子の共局在性が認められていた。また、恒常活性化型Rab8AあるいはACAP1を発現させたメラノサイトは、メラノサイト刺激非依存的に樹状突起を伸長させた一方で、不活性化型Rab8AあるいはGAP活性欠損ACAP1変異体を発現させたメラノサイトでは、樹状突起を示さなかった。つぎに、Rab8AとACAP1を共発現したメラノサイトについて、それぞれを単独発現したメラノサイトとの樹状突起長を検討したところ、共発現による樹状突起の更なる伸長は認められていなかった。引き続いて、メラノサイトにおける内在性ACAP1の機能解析に着手したのだが、ACAP1発現をメラノサイトで確認することがどうしても困難であることが明らかとなった。そのため、メラノサイトが樹状突起を伸長させた際に発現上昇させるArf6 GAP分子を検討し直した。その結果、Arf6の強力なGAPとして知られるACAP2(ACAP1の相同分子)が、樹状突起形成を誘導したメラノサイトにおいてその発現を有意に亢進させることを見出した。そして、ACAP2欠損したメラノサイトは、フォルスコリンなどの刺激によるメラノサイト樹状突起伸長を減弱させること、そしてACAP2を過剰発現したメラノサイトは、誘導刺激非依存的に樹状突起を伸長させることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初狙っていたArf-GAPがメラノサイトにおいて発現があまり認められないことが判明し、他のArf-GAP分子にターゲット分子を切り替えた。この新たにターゲットとしたArf-GAPは、実際にメラノサイトの樹状突起伸長に関与することが明らかになりつつあるため「やや遅れている」という状況とした。
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Strategy for Future Research Activity |
メラノサイトにおけるRabやACAP2の生理機能について、より詳細を理解するために、それぞれの分子を欠損したメラノサイトを用いての樹状突起形成を検討課題とする。さらに、新たなるArf6-GAPであるACAP2の機能ドメインに係る解析を推進し、それぞれのドメインとRabとの関係性について解析し、メラノサイトの形態変化に責任を持つACAPドメインを検討することにより、RabとArfとの相互作用とメラノサイト樹状突起形成の関係性がより明確になることが期待される。
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