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2022 Fiscal Year Research-status Report

Neuropeptide regulation of organogenesis through cell surface FoF1-ATP synthase

Research Project

Project/Area Number 22K06241
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

西脇 清二  関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (30342827)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木村 健二  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (40644505)
金 憲誠  帝京平成大学, 薬学部, 講師 (70469899)
柴田 幸政  関西学院大学, 生命環境学部, 講師 (80314053)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsFoF1-ATP synthase / FLP-10 / DTC移動 / A-Team / ATP濃度
Outline of Annual Research Achievements

1.DTC細胞表面にFoF1-ATP synthaseが発現しているのかを解析するために、alphaおよびbetaサブユニットとVenus融合遺伝子を作製し、細胞膜マーカーであるPLC-SH-mCherryと同時にDTC特異的プロモーターで発現させた。その結果、alpha, betaサブユニットがDTC細胞膜で発現することを確認した。2.FoF1-ATP synthaseを介して体腔中のATP量は制御されているのかを解析するため、FoF1-ATP synthaseの触媒サブユニットbetaについて、枯草菌や大腸菌で明らかになっている活性部位に相当するアミノ酸置換を行った。その結果、betaサブユニットのアミノ酸置換によって、過剰発現によるDTC移動異常が有意に弱くなることを確認した。3.in vivoでATP濃度を測定できるFRETセンサーであるA-TeamをDTC特異的にGPIアンカー型として細胞外に発現したところ、野生型に比べてflp-10変異体で有意にFRETが高くなることを明らかにした。4.FoF1-ATP synthase複合体alphaあるいはbetaサブユニットをDTC特異的に発現すると、flp-10変異体と同様のDTC移動異常が現れるが、これらのサブユニットのloss-of-functionの表現型は不明である。そこでDTC特異的なRNAi実験を行うことを目的として、RNAi耐性をもつrde-4変異体で、DTC特異的にrde-4::gfpを発現する線虫株を作成した。5.FLP-10Cペプチドの欠損がなぜDTC移動異常を生じるのか、その下流の分子機構を解明するためにflp-10変異体の遺伝的サプレッサーの分離を行った。flp-10(tk28)株をEMS処理することにより、DTC異常が抑制されたサプレッサー株を14株分離した。この研究については変異体の分離に予想以上の時間がかかり若干遅れている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

FoF1-ATP合成酵素はミトコンドリアでATP合成を行う酵素であることが知られているが、これが細胞膜にも存在することは培養細胞系でのみ報告されていた。今回、alphaおよびbetaサブユニットとVenus融合遺伝子の発現を共焦点顕微鏡で解析したところ、ミトコンドリアに強いシグナルが観察されたが、DTC細胞膜にも細胞膜マーカーであるPLC-SH-mCherryと共局在することが分かった。これはこれらのサブユニットが細胞膜にも存在することを、個体レベルで初めて明らかにしたものである。

本研究の予備実験として、in vivoでATP濃度を測定できるFRETセンサーであるA-Team (Imanura et al., PNAS 2009)をGPIアンカー型として野生型線虫のDTC表面で発現させると、細胞表面でFRETが起こることを確認していた。今回、A-Teamをflp-10変異体で発現させたところ、野生型に比べて有意に高いFRET値が得られた。これはflp-10変異体のDTC表面のATP濃度が野生型よりも高くなっていることを示唆しており、我々が提唱している遺伝学的なモデルが裏付けられた結果と言える。予想通りの結果であり、安堵している。

概要で記載したその他の研究の進捗状況とも合わせて、本研究は順調に進行していると自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

2022年度の研究は計画通り順調に進んでいるので、2023年度も予定通りに研究を進めていく。1.FoF1-ATP synthaseのDTC細胞膜での発現確認については、alpha, beta以外のF1サブユニットやFoサブユニットについてもVenus fusionを作成し、解析を進める。2.A-Teamによる細胞外ATP量の解析についてはmig-23 (ecto-NTPDase)変異体についてもDTC表面でのFRETの測定を行う。筋肉などDTC以外の組織でも同様にGPIアンカー型A-Teamを発現させ、野生型、flp-10、mig-23 変異体についてFRET解析を進める。3.作成できたDTC特異的RNAi株を用いてFoF1-ATP synthaseのalphaやbetaサブユニットのRNAiを行い、DTC移動に異常が見られるかを調べる。4.DTCの一回目の方向転換は腹側神経束から分泌されるガイド分子UNC-6/Netrinに対する反発性受容体UNC-5がDTCで発現されることにより起こることが知られている。FLP-10CはNetrinガイドに関与している可能性が考えられる。そこで現在、flp-10; unc-6、flp-10; unc-5およびflp-10; unc-40二重変異体(UNC-40はUNC-5の共受容体)を作成中である。これらの二重変異体の表現型を解析する。5.分離できたサプレッサー変異体の中で、表現型の強いものを選んで遺伝学的解析を進める。サプレッサーが優性か劣性かを調べ、SNPマッピングを勧める。さらに親株のflp-10変異体とサプレッサー株 (sup; flp-10二重変異体)について次世代シーケンス解析を行い、サプレッサーの原因遺伝子の同定を行う。

Causes of Carryover

新規変異体の分離に予想以上の時間がかかり、変異体の遺伝的マッピング等の作業ができなかった。このため予定していた培地用試薬などの支出が少なくなり、未使用額が発生した。2023年度は遅れている変異体の遺伝的マッピング等の作業に使用する予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2022

All Presentation (7 results)

  • [Presentation] C. elegansの神経ペプチドFLP-10Cによる生殖巣リーダー細胞移動制御の解析2022

    • Author(s)
      吉見清花,柴田幸政,木村健二,今村博臣,西脇清二
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] 線虫受精卵の細胞質流動に必要なUNC-116の活性制御機構の解析2022

    • Author(s)
      宮浦千晴,西脇清二,木村健二
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] 線虫の基底膜分子mig-6変異体の遺伝的サプレッサーの分離と解析2022

    • Author(s)
      岩﨑一樹,川野武弘,Culotti Joe, 西脇清二
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] 線虫のコンドロイチン合成酵素sqv-5変異体の遺伝的サプレッサーtk181の解析2022

    • Author(s)
      田中友梨、柴田幸政、西脇清二
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] 線虫の咽頭形態に異常を示すpham-1変異体の解析2022

    • Author(s)
      岩津美優, 柴田幸政,西脇清二
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] 線虫のリボソームタンパク質変異によるmig-17/ADAMTS変異体の器官形成異常の抑制2022

    • Author(s)
      三皷海杜, 柴田幸政, 西脇清二
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] ADAMTSプロテアーゼMIG-17とコンドロイチン合成酵素SQV-5による老化抑制2022

    • Author(s)
      柴田幸政,田中友梨, 藤井志穏,佐々壽浩,豊田英尚,西脇清二
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会

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Published: 2023-12-25  

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