2023 Fiscal Year Research-status Report
沿岸海洋島における固有植物の初期的種分化の解明:いつ,どこで,なぜ,どのように?
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22K06352
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀江 佐知子 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (30838024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 伸二 人間環境大学, 人間環境学部, 准教授 (40228945)
牧 雅之 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (60263985)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 種分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋島の固有種の研究は古くから進化生物学における中心的課題となっている.しかし,その多くは大陸から離れた島嶼に見られる非常に特殊化した種を対象としたものである.そのような種は古く分化したものが多く,形態的・生態的に極端な特殊化をしており,種分化の途中経過を明らかにすることが困難である. 本研究の舞台となる伊豆諸島は,本州の南方近海に位置する海洋島で,成立年代は浅いが固有種が多数見られる.この島嶼固有種の種分化がまさに起こりつつある伊豆諸島固有植物群を研究対象とすることで,島における種分化の「始まり」がどのように起こるのか? 伊豆諸島固有植物の祖先がどこから,なぜ到達したのかについて,また,伊豆諸島固有植物の起源の歴史は? 伊豆諸島固有植物がいつ頃島に到来し,起源したのか.そして,伊豆諸島固有植物はどうやって起源したのか?伊豆諸島への移入が1回の現象であったのか,あるいは複数回であるのかを本研究では分子系統地理学的および分子集団遺伝学的解析ならびに生態学的解析によって明らかにすることを目指している.昨年度進めた標本調査や生育地情報をもとに,今年度試料収集を行うことができた.これらをもとに,今後,詳細な遺伝学的解析および生態学的解析を行うことで伊豆諸島固有植物の祖先がどこから,なぜ,いつ頃到達したのかについて近似ベイズ推定法に基づいた単一および複数回起源を想定した複数のシナリオを検討し,伊豆諸島固有植物の進化がなぜ比較的短期間に起きたのかについて検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度,標本調査ならびに産地情報の収集を行い選定した研究対象種について今年度収集することができた.次年度は引き続き収集した試料による生態学的解析および遺伝的解析を進める予定であり,現在までの進捗状況としてはおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は遺伝学的解析を進めるとともに,収集した試料による生態学的解析を行う予定である.
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Causes of Carryover |
今年度は昨年度進めた研究対象種の標本調査ならびに得られた産地情報をもとにサンプルの採取を重点的に行った.遺伝的解析について今後のサンプル採取の必要性の検討に焦点を絞り,予備的なものとしたため次年度使用額が生じたが,次年度,これまでに収集したデータをもとに,サンプルの採取ならびに遺伝学的解析及び生態学的解析を行うために使用予定である.
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