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2022 Fiscal Year Research-status Report

神経突起の成長と維持を可能にする神経特異的膜骨格リモデリング

Research Project

Project/Area Number 22K06450
Research InstitutionOsaka Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

藤島 和人  大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20525852)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords樹状突起 / ニューロン / 形態形成 / プルキンエ細胞
Outline of Annual Research Achievements

スペクトリンやアクチン骨格は軸索・樹状突起といった神経突起で膜骨格を形成する。この膜骨格の役割について十分な知見はないが、神経突起を物理的に保護することや、様々なシグナル分子の足場となることが報告されている。神経突起を物理的に保護しうる膜骨格は成長時に進展を阻害する可能性がある。本研究ではこの膜骨格が樹状突起の成長に際してリモデリングすることで進展に伴い蓄積されるひずみを解消しているのではないかと仮説を立てている。
申請者は神経活動や、細胞膜や骨格に加わる張力自体に端を発するシグナルがアクチン骨格の脱重合などを通じて膜骨格のリモデリングを促進すると予想している。本年度は小脳プルキンエ細胞をモデルとして樹状突起の進展時に生じる膜骨格のリモデリングの分子機構を明らかにすることを目指した。
分子メカニズムの解析や膜骨格構造の可視化には、申請者がこれまで使用してきた初代培養を用いることを計画していた。しかし所属を変更したなどからの理由で培養の条件が変化したため、再度条件検討を行った。この条件検討に時間を取り、予定した実験が遅れた。この間に膜骨格を破壊する可能性のある分子の発現を阻害するノックダウンベクターを作成した。またこれらを細胞に導入するためのアデノ随伴ウイルスベクターを作成する実験系を構築した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

スペクトリンやアクチンを構成要素とする膜骨格は約190nmの周期をもつはしご状構造や網目状構造を形成することが知られている。本研究では神経活動や細胞内外で生じる物理的な刺激が膜骨格をリモデリングするのに関与しているのではないかと考えている。本研究を推進するには、膜骨格を超解像度顕微鏡で観察する必要があり、そのためには神経細胞の初代培養を行う必要があった。申請者はこれまでに初代培養を行っていたが、所属を代わり条件が変わったため、改めて培養に最適な条件を探す必要があった。本年度は条件検討に時間がかかり、予定した計画より遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

R4年度までに確立した初代培養系を用いて、神経活動が膜骨格のリモデリングを促進する可能性をまず検討する。高カリウムで神経活動を亢進した状態、または阻害剤を用いて神経活動を低減した状態でプルキンエ細胞を固定し、樹状突起における膜骨格のパターンを超解像度顕微鏡で観察する。さらにリモデリングに関わる分子の探索を行う。候補分子のノックダウンベクターを細胞に導入し、アクチンやスペクトリンの形成する膜骨格の微細構造を観察し、膜骨格の維持に与える影響を調べる。
神経突起の保護のため膜骨格が引き延ばされるのを制限する仕組みも必要だと考えられる。スペクトリン-アクチン膜骨格は樹状突起の膜直下で網目状構造を形成している。この網目がアクトミオシンと相互作用し、収縮することで強力に樹状突起を保護する可能性がある。アクトミオシン阻害下で膜骨格構造のパターンを超解像度顕微鏡で調べる。

Causes of Carryover

申請者は以前日常的に小脳初代培養系を用いた研究を行っていた。本研究を始める前に、申請者は所属を変えて、実験系を変更していた。本研究を始めるにあたり、以前行っていた初代培養系を再開したが、条件が変わったために、うまく培養することができなかった。あらたに条件検討をする必要があった。そのために、全体的に実験が遅れてしまった。R4年度までに条件検討は終わったため、R5年度より予定していた研究を再開する。膜骨格の微細な構造を観察するため抗体や蛍光試薬の購入し、超解像度イメージングを行う。膜骨格リモデリングの分子メカニズムを追求するため、分子生物学・生化学試薬や遺伝子導入に用いるウイルス精製キットの購入をする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 小脳回路における軸索-樹状突起の直交性接続のメカニズム2022

    • Author(s)
      藤島和人、 近藤洋一、 見学美根子
    • Organizer
      第98回 日本解剖学会近畿支部学術集会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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