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2022 Fiscal Year Research-status Report

MK2を介した非定型的活性型EphA2によるがん悪性進展の制御機構

Research Project

Project/Area Number 22K06612
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

周 越  富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (10733339)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsEphA2 / RSK / MK2 / リン酸化 / 細胞遊走
Outline of Annual Research Achievements

本年度はMK2を介したRSKの活性化機構とがんにおけるその機能を明らかにした。
RSKは分子内にNTKDとCTKDという2つのキナーゼドメインを持つ分子であり、その活性調節は複雑に制御されている。これまでの報告により、ERKによるRSKの活性化では、①ERKがRSKに結合することでCTKDの活性化を誘導する。②活性型CTKDがリンカー部位に存在するSer残基のリン酸化を誘導する。③セリン・スレオニンキナーゼPDK1が結合し、NTKDの活性化を誘導する。④活性型NTKDはEphA2などの下流の基質のリン酸化を誘導する。しかし、MK2によるRSKの制御では、MK2が直接リンカー部位のSer残基をリン酸化するため、CTKDの活性が必要ないと考え、これを実証した。この結果により、がん細胞はストレスに曝されると、活性型MK2を介してRSKのリン酸化が誘導され、CTKDの活性に依存せずにNTKDが活性化し、EphA2の非定型的活性化を誘導することが明らかになった。
MK2によって制御されるRSK-EphA2の機能について、グリオブラストーマ細胞株を用いて実験を行った。グリオブラストーマの治療にはアルキル化剤であるテモゾロミドが使用される。興味深いことに、我々は以前にテモゾロミドはグリオブラストーマ細胞株の細胞遊走を亢進させることを報告している。テモゾロミドは細胞内ストレスを負荷するため、テモゾロミドによって誘導されたMK2-RSK-EphA2経路が細胞遊走を制御するのではないかと考えた。実際にグリオブラストーマ細胞株にテモゾロミドを作用させたところ、MK2-RSK-EphA2経路の活性化が誘導され、細胞遊走も亢進した。これに対し、MK2やRSKの阻害剤、もしくはEphA2のノックダウンをしたところ、細胞遊走の亢進が抑制された。以上の結果により、テモゾロミドはMK2-RSK-EphA2経路を活性化させることで、細胞遊走を促進することがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度はMK2を介したRSKの活性化機構を明らかにした。また、細胞内ストレスによって誘導される細胞遊走をMK2-RSK-EphA2経路が制御することを明らかにした。これらの内容をまとめた論文を投稿し、受理された。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、MK2-RSK-EphA2経路と細胞遊走の関係を明らかにしたが、がんの悪性進展には抗がん剤への耐性化、がん幹細胞性、がん細胞の血管擬態などがある。これらへのMK2-RSK-EphA2経路の寄与について今後は検討していく予定である。また、MK2を介したRSKの活性化制御機構について、NTKDの活性化に注目して実験を進める予定である。

Causes of Carryover

論文掲載費の支払いのため、一部の予算を確保したが、支払いが次年度となったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は予定通り、次年度に請求される論文掲載費として使用する予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (6 results)

  • [Journal Article] Cellular stress induces non-canonical activation of the receptor tyrosine kinase EphA2 through the p38-MK2-RSK signaling pathway2023

    • Author(s)
      Zhou Yue、Oki Ryota、Tanaka Akihiro、Song Leixin、Takashima Atsushi、Hamada Naru、Yokoyama Satoru、Yano Seiji、Sakurai Hiroaki
    • Journal Title

      Journal of Biological Chemistry

      Volume: - Pages: 104699~104699

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.104699

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] RSK-EphA2経路を介したがんの悪性化2023

    • Author(s)
      周越、横山悟、矢野聖二、櫻井宏明
    • Organizer
      第26回日本がん分子標的治療学会
  • [Presentation] 細胞内ストレスはp38-MK2-RSK-EphA2経路を介して細胞遊走を促進する2023

    • Author(s)
      周越、大木良太、田中章裕、高島惇誌、浜田成、横山悟、矢野聖二、櫻井宏明
    • Organizer
      第31回日本がん転移学会学術集会・総会
  • [Presentation] Non-canonical activation of EphA2 via the p38-MK2 pathway2023

    • Author(s)
      浜田成、周越、横山悟、矢野聖二、櫻井宏明
    • Organizer
      第81回日本癌学会学術総会
  • [Presentation] 細胞内ストレスを介したp38-MK2-RSK-EphA2経路の活性化2023

    • Author(s)
      周越、大木良太、田中章裕、高島惇誌、浜田成、宋磊キン、横山悟、櫻井宏明
    • Organizer
      第95回日本生化学会大会
  • [Presentation] ストレスによって誘導されるp38-MK2-RSK-EphA2経路を介した細胞遊走2023

    • Author(s)
      田中章裕、周越、大木良太、高島惇誌、浜田成、宋磊キン、横山悟、櫻井宏明
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] MK2-RSK経路を介したEphA2非定型的リン酸化の制御機構2023

    • Author(s)
      周越、大木良太、田中章裕、高島惇誌、浜田成、宋磊キン、横山悟、櫻井宏明
    • Organizer
      日本薬学会第143年会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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