2023 Fiscal Year Research-status Report
Mitochondrial permeability transition as a mechanism of immune-mediated drug-induced liver injury in NAFLD
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22K06704
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
濱田 和真 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (90596884)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オミックス解析 / 質量分析 / mPT / MASLD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はミトコンドリア膜透過性遷移(mPT)に着目して脂肪性肝疾患(MASLD、旧名称NAFLD)における薬物性肝障害(DILI)の免疫学的機序を明らかにし、MASLDのDILI予測、回避を目標とする応用研究を展開する。本年度はMASLDミトコンドリアの性質変化、mPT制御機構、毒性予測に関して前年度取得したミトコンドリアプロテオームデータに基づくバイオインフォマティクスおよび生化学的解析を実施した。さらにMASLDにおけるミトコンドリアプロテオーム変化を包括的に理解する目的で公共データベースを用いて本疾患に関する質量分析データを探索し、以下の成果を得た。1) MASLDにおけるmPT感受性変化は肝毒性化合物すべてに対して見られる現象ではなく、特定の化合物に対して起こる特徴的な性質変化であることをin vitro肝単離ミトコンドリアにおける解析から明らかとした。2) ミトコンドリアプロテオームデータを用いてGO解析、パスウェイ解析等のエンリッチメント解析を実施し、MASLDのミトコンドリアプロテオームの特徴を抽出するとともに変動分子群に関連する上流因子および疾患情報を同定した。3) 肝毒性化合物によるmPTはミトコンドリアストレスを起こし免疫誘導能が高いDAMPを放出することを見出した。4) 本研究課題の意図を満たす種々の脂肪肝モデルの質量分析データを収集してプロテオームの違いを比較解析するための基盤を構築した。5) 上述した解析を通してmPT感受性制御に関連する経路、因子を導き出し、DILIの予測技術創出につながる知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪性肝疾患のミトコンドリアプロテオームデータに基づく解析からmPT感受性制御、ミトコンドリア毒性予測に関する重要な知見を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
オミックスデータを活用してバイオインフォマティクスおよび生化学的手法により脂肪性肝疾患におけるミトコンドリア性質変化の生物学的理解、mPT制御機構、DILI予測技術に関する解析を推進する。
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Causes of Carryover |
様々なオミックスデータを取得できたことで情報科学的解析に注力し多くの知見が得られた一方で一部予定していた生化学的解析を実施できなかったため、次年度使用額は当該研究計画に充てる。
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Research Products
(8 results)