2022 Fiscal Year Research-status Report
脱毛症の増悪因子としての頭皮マイクロバイオームの解析と新規治療法の提案
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22K06781
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉田 隆 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (10312076)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロバイオーム / マラセチア / コリネバクテリウム / 脱毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、男性型脱毛症(AGA)の患者群と非AGA群の両方の頭皮(側頭部)に存在するマイクロバイオーム(細菌および真菌)を次世代DNAシーケンサーを用いて網羅的に解析した。細菌マイクロバイオームの解析では、Cutibacterium属菌、Staphylococcus属菌、およびCorynebacterium属菌が両群で主要な構成菌であった。非AGA群と比較した場合、AGA患者群ではCutibacterium属菌とCorynebacteriumのdysbiosisが観察された。このことからCutibacterium属菌がAGA患者の頭皮環境により適応していると推定された。真菌マイクロバイオームの解析では、好脂性真菌であるMalassezia restrictaが両群共に主要な構成菌種であった。さらにqPCRを用いて定量的に解析したところ、AGA患者群での定着量が非AGA群よりも有意に多いことが明らかになった。Cutibacterium属菌とMalassezia属菌は共に自身が産生するリパーゼにより皮脂を加水分解し、それを栄養源として増殖するため、AGAの皮脂量の増加に伴う現象と考えられる。 側頭部の解析結果は、以前の研究で明らかにされた頭頂部の結果と類似してしいた。さらに、AGA患者群に特異的に存在するグラム陽性細菌の存在も特定した。今後、この細菌がAGAの発症を引き起こすトリガーの一つになっている可能性を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り男性型脱毛症(AGA)の患者群と非AGA群の頭皮のマイクロバイオームの網羅的な解析から、両群に特徴的なマイクロバイオームを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の企図はAGAの改善にマイクロバイオーム移植療法を提案することである。これを可能とするには移植用マイクロバイオームを選別する必要がある。非AGA群に有意に定着している細菌を供試菌株として三次元皮膚細胞培養モデルを用いて炎症のノックダウンが可能か検証する。
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Causes of Carryover |
皮脂成分分析のための予備実験を予定していたが次年度に変更した。ただし次年度全体の研究計画の遂行に影響はない。
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Research Products
(8 results)