2022 Fiscal Year Research-status Report
Developmental neural circuit formation based on the competition between excitatory and inhibitory inputs in the cerebellum
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22K06784
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 太輔 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (90374230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 美和子 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10431305)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プルキンエ細胞 / 平行線維 / 登上線維 / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の概要】 小脳皮質唯一の出力細胞であるプルキンエ細胞は苔状線維-平行線維系と登上線維による2種類の興奮性入力と、介在神経細胞による抑制性入力を受けている。小脳の神経回路形成・維持には興奮性入力間の競合が重要であることが明らかにされてきたが、興奮性入力と抑制性入力の競合がどのように関与しているかについては不明な点が多い。申請者はこれまでの予備実験の結果から、細胞内の局所カルシウム放出に関わる分子、Car8の分子欠損マウスにおいて、興奮・抑制入力競合の不均衡を示唆する解剖学的所見を得ている。本研究は小脳の神経回路発達形成過程と維持は興奮・抑制入力間でのシナプス競合によって成り立っているという仮説をたて、この実験的証明を行う。 【令和4年度の研究成果】 申請者はアデノ随伴ウィルス(AAV)を用いたStxbp1遺伝子欠損誘導に成功しており、今後は小脳における興奮―抑制不均衡モデルとして介在ニューロン特異的消失マウスの作成と解析を行う予定である。同様に、興奮―抑制不均衡が観察されているCar8分子欠損マウスでは、興奮性終末が脱落しているフリースパインにおいてシナプス接着分子の発現が減少しているという所見が得られた。最後にAAVを用いたCar8発現回復を行うことで、興奮性シナプスの回復と抑制性シナプス形成亢進が抑制される傾向が見られ、神経回路の興奮―抑制均衡維持がCar8によって制御されているという重要な所見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では小脳回路発達維持における興奮・抑制性入力競合の形態学的解明と、それを制御する分子機構の同定を目的として、解析項目I.介在ニューロン消失モデルの形態学的解析、解析項目II.興奮・抑制性入力競合を制御する分子機構の同定、解析項目III.成体小脳における興奮・抑制性入力競合の同定の3つの解析項目を設定している。初年度である令和4年度ではいずれの解析項目においてもモデル動物の作成と、本研究の核となる重要な所見が得られており、概ね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では小脳回路発達維持における興奮・抑制性入力競合の形態学的解明と、それを制御する分子機構の同定を目的として解析を行う。令和5年度では確立した興奮―抑制不均衡モデルマウスやCar8発現回復マウスの詳細な形態解析、電気生理解析を行い、神経回路や分子局在の変化に着目した表現型を明らかにする予定である。
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