2023 Fiscal Year Research-status Report
A novel mechanism for promoting osteoblast differentiation by mechanical stimulation -- Function of transcription cofactor VGLL3
Project/Area Number |
22K06790
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
池亀 美華 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (70282986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 裕彦 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (20380024)
平山 晴子 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教 (40635257)
福原 瑶子 (内田瑶子) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60779742) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / VGLL3 / 選択的スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
骨芽細胞分化のメカニズムを解明することは骨疾患の病因解明や治療法開発に重要であり、近年、選択的スプライシングが病因となりうることも解ってきた。 我々は、機械的刺激による骨芽細胞分化促進に伴い著しく増加する新規因子として転写共因子VGLL3を見出し、これが骨芽細胞分化に重要な因子であること、さらに、VGLL3には選択的スプライシング調節機能がある可能性もつかんでいる。本研究の目的は、VGLL3の骨芽細胞分化における機能を解析し、さらにスプライシ ングバリアント発現について検討し、新たな骨芽細胞分化調節メカニズムを解明することである。 2023年度には、VGLL3遺伝子発現阻害することにより発現変化したスプライシングバリアントを、RNAシーケンスのデータを研究協力者の王が開発したプログラムによって網羅的に解析することを試みた。その結果、スプライシングバリアントの発現が、有意差をもって変化した遺伝子は、解析した総数15,232個のうち、583個であった。それらのうち、発現量には有意差がないが、選択的スプライシングに違いを生じたものは515個であった。つまりこれらの因子は、VGLL3の発現が抑制されることにより、転写量の調節ではなく、転写後の選択的スプライシングに違いを生じた因子ということになる。さらに遺伝子オントロジー(GO)エンリッチメント解析の結果、スプライシング変化が大きかった上位20のうち、11のGOは、RNAプロセシングやスプライシングに関係したものであった。これらの結果は、VGLL3がスプライシング調節に関与している可能性を示すものである。具体的にどのように関与しているかは今後の課題であるが、骨芽細胞分化の調節におけるVGLL3が果たす新しい役割の解明の足掛かりとなる貴重な情報である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に生じた解析の遅れが影響しているためである。しかし、RNAシーケンスのデータ解析を進めることができ、選択的スプライシングに関して一定の進展を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
Vgll3ノックアウトマウスの作製あるいは入手については、予算的、人的パワーの側面から本研究では断念し、代わりにin vitroでの実験に重点を置く方策に切り替える。 VGLL3がスプライシングに何らかの影響を与えていることはわかってきたので、今後は、VGLL3が選択的スプライシングに関与するメカニズム解明をすすめてゆく。そのため、VGLL3のノックダウンによって有意に発現変化した因子、あるいはスプライシングに大きな変化を生じた因子の中で、骨芽細胞の分化やスプライシングに重要な役割を持つ因子を検索し、遺伝子発現調節実験により、それらの意義を実験的に検証する。 また、FlagタグをつけたVGLL3の強制発現に再度挑戦し、結合パートナー中にスプライシング関係因子を検索する。
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Causes of Carryover |
研究の進行がやや遅れているため、次年度に少し繰り越す結果となった。
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Research Products
(2 results)