2022 Fiscal Year Research-status Report
へパラン硫酸の糖鎖構造:iPS細胞分化シグナルの選択的制御
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22K06801
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小林 孝 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 助教 (00722216)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | iPS細胞 / ヘパラン硫酸 / 細胞分化 / プロテオグリカン |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘパラン硫酸は細胞外マトリックスや細胞表層に局在するグリコサミノグリカンで、多様な生理活性分子と特異的に結合することにより、そのシグナル伝達を制御している。幹細胞から各種組織細胞への分化過程でヘパラン硫酸の修飾・生合成酵素遺伝子には著しい発現変動がみられ、それに伴いヘパラン硫酸の構造も目覚ましい変化を遂げる。そこで本研究では、ヒトiPS細胞の各細胞分化過程でのヘパラン硫酸の構造解析、ヘパラン硫酸と結合すると想定される生理活性分子の同定、ゲノム編集等によるヘパラン硫酸の人為的構造変化によって各細胞系譜におけるHSの糖鎖構造の機能を明らかにする。 2022年度は1)CRISPR/Cas9法によってヘパラン硫酸の硫酸転移酵素HS2ST、HS6ST1、HS6ST2のノックアウトiPS細胞株の樹立を試み、HS2STとHS6ST2のノックアウト株を樹立した。2)心臓組織を構成する心外膜平滑筋細胞、心外膜線維芽細胞および肝臓組織を構成する肝実質細胞、肝星細胞の分化誘導法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヘパラン硫酸硫酸転移酵素のノックアウト細胞株のうちHS6ST1のノックアウト株の樹立がうまくいっていない。また、各細胞系譜分化誘導法の確立において、外胚葉系の細胞への分化法が樹立できていない。 その他については概ね当初の計画通り研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したノックアウトiPS細胞株を各臓器細胞へ分化誘導し、その性状に違いがあるか検証する。ヘパラン硫酸生合成の上位酵素であるEXTおよびNDSTにノックアウト細胞を作製し、より詳細な研究をできるようにする。外胚葉系の細胞として皮膚組織の角化細胞の分化系を樹立し、三胚葉由来の各細胞の比較を行う。
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Causes of Carryover |
当初の予定より細胞株の樹立が遅れたため、それに使用する予定であった消耗品への支出が減った。細胞株が揃ったところから比較研究を行うため、本年度は解析に使用する消耗品への支出が増加すると見込まれている。また予定していた学会参加がオンライン会議になるなどにより旅費の使用が当初の予定より少なくなった。
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