2022 Fiscal Year Research-status Report
MicroRNAに着目した去勢抵抗性前立腺癌の予防法とバイオマーカーの探求
Project/Area Number |
22K06963
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
内木 綾 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (20509236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠谷 俊紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (30600754)
内木 拓 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50551272)
高橋 智 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60254281)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / ルテオリン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年急増している前立腺癌の治療において解決すべき課題は、癌がホルモン療法(アンドロゲン除去療法)中に治療抵抗性を獲得することである。去勢抵抗性前立腺癌 (castration-resistant prostate cancer, CRPC)の発症機序は完全に解明されておらず、機序や治療法を検証しうる実験モデルも多くない。私たちはこの課題を克服すべく、独自の前立腺癌多段階動物モデルを樹立し、CRPCの発症機序を明らかにしてきた。そして最近、抗酸化フラボノイドであるルテオリンが、CRPCの治療耐性に関わる遺伝子を抑制するmicroRNA (miRNA)を誘導し、CRPC増殖抑制効果を発揮することを見出した。 これらの成果を踏まえて本研究では、前立腺癌に対するルテオリンの臨床研究を行うことにより、CRPCへの進展抑制あるいは前立腺癌予防の可能性についての検証を試みることとした。 ルテオリンによる癌治療に関わる臨床研究はこれまでに存在しない。本年度はまず認定臨床研究審査委員会の承認を得て、ルテオリン長期投与による安全性試験を開始した。対象は新規に診断され診断時のPSAが10ng/mL以下、cT2b以下でPSA監視療法を行う予定の前立腺癌患者5症例(4症例:Gleason score 3+3=6、1症例:Gleason score 3+4=7)で、ルテオリン50mgを24週間継続投与を行った。現在明らかな有害事象はなく、経過観察中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ルテオリン臨床試験の承認を得てすでに臨床試験を開始しており、計画通りに研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
ルテオリン投与前に前立腺生検検体を得ており、投与終了後にも採取予定である。投与前後の、細胞増殖活性、アンドロゲン受容体及び関連タンパクの発現変化を検討する予定である。また投与前および投与後1,3,6か月後に血清を採取しており、これまでに明らかになっているルテオリンにより発現誘導されるmicroRNA群の発現推移を検討する予定である。また、新規にルテオリン100mg安全性試験を実施する準備をしており、現在認定臨床研究審査委員会で審査中である。
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Causes of Carryover |
本年度は臨床試験を開始し、血清サンプルの収集を行った。そのサンプルを用いたRNA発現解析を次年度に行うことになったため。
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Research Products
(13 results)