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2023 Fiscal Year Research-status Report

コルヒチン腫瘍内投与による抗腫瘍効果の機序解明と免疫学的併用療法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K07269
Research InstitutionAsahikawa Medical College

Principal Investigator

安田 俊輔  旭川医科大学, 大学病院, 助教 (60833431)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords細胞障害性T細胞 / コルヒチン / 微小管阻害薬 / 癌免疫サイクル / 樹状細胞 / 腫瘍血管 / 免疫チェックポイント分子阻害薬
Outline of Annual Research Achievements

コルヒチンを腫瘍内へ直接投与した際に引き起こされる腫瘍血管の破壊・出血性壊死およびそれに続く好中球浸潤,所属リンパ節での免疫応答に関して,おもにneutrophil extracellular traps, NETsの形成および血小板を介した凝固反応と免疫応答に関連したバイオマーカーの検出を行っている.
また,腫瘍内出血と好中球遊走による細胞傷害性T細胞の教育を一元的に説明しうるメカニズムとして,これら2つの事象について多角的に検討を行っている.
現時点では決定的なバイオマーカーやリガンドの検出には至っておらず,難渋している.免疫チェックポイント分子阻害薬との併用治療に関しては概ね良い結果が得られており,細胞障害性T細胞の賦活がコルヒチンの腫瘍内直接投与による抗腫瘍効果と密接に関連していることは確実と考えられる.コルヒチンが腫瘍血管を特異的に破壊すること,抗腫瘍効果に細胞障害性T細胞が関わっており免疫チェックポイント分子阻害薬でその効果が強くなるという事実は,局所において獲得された癌特異的な免疫反応が,化学療法等の組み合わせで遠隔転移や微小転移にたいしても治療効果が得られる可能性を示唆しており,また,コルヒチンの腫瘍内投与が腫瘍局所における免疫応答をより強くさせるという可能性も相まって,局所治療と同時に転移・再発予防効果を得られる革新的な薬物療法と発展する可能性を秘めていると考える.
今後も研究をつづけ,英文誌にて数年以内の論文掲載を目指している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コルヒチンの腫瘍内投与によっておこる腫瘍血管破壊,それにつづく出血性の腫瘍壊死は非常に早期かつ強力に進行するため,腫瘍内で引き起こされている様々な事象を適切なタイミングで捉えづらく難渋している.とくに腫瘍関連マクロファージの遊走など,既知の腫瘍内でのがん免疫反応について検討できる手技・実験と同様のセオリーが通用しづらく,バイオマーカー,リガンドの検出に難渋している.

Strategy for Future Research Activity

好中球遊走とNETsの形成,および血小板を介した凝固反応と免疫に関わる様々な因子について詳細に検討を行う.また,既に結果のでている免疫チェックポイント分子阻害薬との併用について,更に検討を重ねて,より良い条件・薬剤を見つけていく,
コルヒチンで懸念される有害事象について,マウスの血液検査によっても検討する.

Causes of Carryover

主たる研究者が大学病院から医局人事で他医療施設へ1年間転勤となっていたため,同研究室の研究員へ実際の実験実施をお願いする形になった.定期的に研究結果報告をうけてディスカッションし,次に行う実験について検討・実施してきたが,これによる実験の遅延があった事は否めない.主たる研究者は2024年4月時点で大学病院へ復職しており,鋭意研究を続行する所存である.

URL: 

Published: 2024-12-25  

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