2023 Fiscal Year Research-status Report
REM睡眠による異常タンパク質の排出増加はアルツハイマー病を治療できるか?
Project/Area Number |
22K07373
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長沼 史登 北海道大学, 医学研究院, 講師 (80780519)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / メラニン凝集ホルモン / レム睡眠 / アミロイドβ / DREADDs |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、MCH神経特異的に目的遺伝子を発現させるため、アデノ随伴ウイルス (AAV) にMCHプロモーター配列を組み込んだAAV-MCHpromotor-Cre-EBFPをマウス視床下部外側MCH神経発現部位に打ち込んだが、マーカータンパクである青色蛍光タンパク質 (EBFP) の発現が確認できなかった。そこで、本年度は新たにMCHプロモーター下流に改変型ムスカリン受容体 (hM3Dq) および赤色蛍光タンパク質 (mCherry) を発現するAAVベクター (AAV-MCHpromotor-hM3Dq-mCherry) を作製した。作製したAAVを野生型マウスの視床下部外側に打ち込み、mCherryの発現について評価を行った。その結果、視床下部外側にてmCherryの発現が確認された。しかしながら、MCHの免疫染色を行いmCherryとの共染色にて発現を確認したところ、MCH以外の神経細胞にもmCherryの発現が確認された。今後AAVにおけるhM3Dq発現のオフターゲット効果については検討課題である。また、hM3Dqの作動薬であるclozapine N-oxside (CNO) を投与し睡眠覚醒量の変化について評価したところ、REM睡眠量が増加したマウスもいたが、変化のないマウスも数匹確認されたため、AAV注入の条件検討、またはCNOの用量などについても詳細に検討する必要がある。また、本年度はアルツハイマー病モデルマウスの脳内に蓄積するアミロイドを生体イメージングできる近赤外線蛍光プローブTHK565を開発した。これにより睡眠量とアミロイドの蓄積量について簡便に評価することが可能になったため、次年度以降の評価系に組み込む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で必要なREM睡眠を増加させるAAVベクターの作製が完了した。条件検討は必要であるが、REM睡眠量を増加させることはできたので、次年度からアルツハイマー病モデルマウスを用いて評価を行える。また、モデルマウスの脳内に蓄積するアミロイド量を生体マウスで簡便に評価できる系を構築できたため、次年度以降の研究を加速させることが可能となった。これらのことより、研究計画は概ね予定通りに進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度作製したAAV-MCHpromotor-hM3Dq-mCherryを実際にアルツハイマー病モデルマウスApp-KIに投与し、化学遺伝学的手法によりREM睡眠を増加させた際のアミロイドの蓄積量について評価を行う予定である。アミロイドの蓄積量は今年度開発したTHK565にて経時的に生体イメージングを行い評価する。今年度は本方法にてREM睡眠量の変化にバラツキが確認された。今後の条件検討により改善されると考えられるが、MCHのアナログ製剤が各社から購入可能であるため、これらを脳室内投与し、REM睡眠を増加させる方法についても併せて検討を行うことを予定している。
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Research Products
(1 results)