2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the pathological mechanism by which long-term sleep causes brain dysfunction
Project/Area Number |
22K07401
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
花岡 拓哉 大分大学, 医学部, 助教 (40433057)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 成志 大分大学, 医学部, 准教授 (30433048)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 睡眠時間 / アルツハイマー病 / 脳血液関門障害マーカー / 炎症性サイトカイン / 大脳白質変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,軽度認知障害 (MCI; mild cognitive impairment)を対象として血漿中の炎症性サイトカインや脳血液関門障害マーカーの測定,3.0T-MRI,FDG-PETなどの先端脳画像検査を実施し,長時間睡眠が脳機能低下を引き起こす病態機構を解明することである.2022年は,これまで前向きコホート研究によりMCI 118例(男:女=52:66例, 平均年齢75.7歳)のウェアラブル生体センサによる睡眠データの解析,およびmultiplex immunoassay systemを用いた各種炎症性サイトカイン測定を行った.睡眠データは,睡眠時時間・睡眠効率・中途覚醒時間・中途覚醒回数を算出した.血漿中の炎症性サイトカインはBio-Plex Pro Human Cytokine 27-plex (M500KCAF0Y; Bio-Rad)を用いてFGF basic,G-CSF,GM-CSF,IFN-γ,IL-1β,IL-1ra,IL-2,IL-4,IL-5.IL-6,IL-7,IL-8,IL-9,IL-10,IL-12(p70),IL-13,IL-15,IL-17,IP-10,MCP-1,MIP-1α,MIP-1β,PDGF-BB,RANTES chemokine,tTNF-α,VEGFを測定した.測定データから睡眠時間と炎症性サイトカインの関連をSpearman’s rank correlation coefficientにより解析した.この結果,睡眠時間と関連する新たなサイトカインを発見した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
118例のMCI症例においてウェアラブル生体センサによる睡眠データ解析から睡眠時間・睡眠効率・中途覚醒時間・中途覚醒回数を算出およびmultiplex immunoassay systemを用いた27種類の炎症性サイトカインの測定を行った.さらに,睡眠時間と炎症性サイトカインの関連を解析した.この結果,睡眠時間と炎症性サイトカインが関連することが明らかとなり,これまで報告のない新たなサイトカインの発見に繋がった.この成果を論文化して投稿中である.また,3.0T-MRI画像から深部白質と皮質下白質の大脳白質変性を評価するための解析ソフトを導入した.現在,解析のための条件設定を行っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年は,血漿中のmatrix metalloproteinases; MMPs,tissue inhibitor of metalloproteinases; TIMPs),pericyte marker(β-type platelet-derived growth factor receptor),endothelial marker(Vascular Cell Adhesion Molecule 1)などの脳血液関門障害マーカーをEnzyme-Linked Immunosorbent Assayを用いて測定する.測定データから睡眠時間と脳血液関門障害マーカーの関連を検討する.睡眠時間と脳血液関門障害マーカーの関連が明らかとなれば論文化する.
|
Causes of Carryover |
2022年度には、MCI症例についてmultiplex immunoassay systemを用いた27種類の血漿中の炎症性サイトカイン測定を実施した。一方で脳血液関門障害マーカーの測定までは実施できなかったことで、当初の計画に比較して実支出額が下回ることとなった。2023年度では脳血液関門障害マーカーの測定と睡眠時間との関連などの検討を行うための費用に充てる。
|