2023 Fiscal Year Research-status Report
下痢原性大腸菌の新規マーカーを用いた新規検査法の開発 検査現場での使用を目指して
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22K07434
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
星野 真理 (大村真理) 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 教授 (10313511)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大腸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管内病原大腸菌(下痢を起こすため、下痢原性大腸菌とも呼ばれている)は、作用機序から主に5種類の腸管出血性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管接着性大腸菌および腸管凝集性大腸菌に分類できる。現在、下痢原性大腸菌は、病院検査室では腸管出血性大腸菌の一種類のみを確定し、保健所・衛生研究所においては、5種を分類するための複数病原因子遺伝子の検出に煩雑さを伴っている。 そのため、全下痢原性大腸菌を検出できる新規検出法開発を目的とし、下痢原性大腸菌の分類指標(マーカー)にできる新規蛋白質候補を得てきている。その候補蛋白質の中で前年度までで第1候補と第2候補蛋白質についてはマーカーとしての検証が終了している。今年度以降は、第3候補以降についての検討を行う予定である。まず今年度は、第3候補以降について検証方法、Enzyme-linked immuno-sorbent assay (ELISA)に必要な試薬構築を行うが、その最初のステップとして各候補の目的蛋白質の精製を行った。第3候補については精製した目的蛋白質を用いてELISAに必要な試薬の構築は終了している。第4候補はカラム非吸着蛋白質のため精製をおこなうことができず、第5候補については、可溶性画分には存在せず、inclusion bodyとして菌体画分に存在する不溶性蛋白質のため精製することができなかった。そのため第4候補と第5候補はELISAに必要な試薬の構築もできないため、検証を行うことができなかった。次に第6候補については精製できたためELISAに必要な試薬の構築は終了し、第7候補は可溶性画分には少量しか存在せず、ほとんどがinclusion bodyとして菌体画分に存在する難溶性蛋白質のため精製に非常に困難を要したが、精製を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験が困難を要し、順調に進まなかった。病気発症により以前ほど無理をすることができなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
予算の関係もあり、更なる他候補へ拡げての検討を行うよりMSで挙がってきた上位検討候補7個のうち、カラム非吸着蛋白質と不溶性蛋白質を除いた5候補について先なる検討に進むこととした。
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Causes of Carryover |
実験が困難を要し、順調に進まず、遅れていることと支払い請求が年度をまたいだため。
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