2023 Fiscal Year Research-status Report
不死化したヒト脱落乳歯歯髄幹細胞の培養上清による実験的自己免疫性神経炎の治療効果
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22K07504
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮川 聡美 東京医科大学, 医学部, 兼任助手 (40931324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヒト乳歯歯髄幹細胞 / 培養上清 / 実験的自己免疫性神経炎 / シュワン細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はマウスシュワン細胞株IMS32を用いたSHED-CMの作用機序の検討を行った。 ①SHED-CMの蛋白質分子の関与:IMS32細胞に、無血清下SHED-CMまたはコントロール培地を加えると、SHED-CMの容量依存的に細胞増殖が増強された。そこで、SHED-CM中のどの分子が関与しているかを調べるために、可能性の高い10種類以上の組換えサイトカインを選びIMS32細胞に加えると、HGFとbFGF、NRG1で細胞増殖を増強し、さらに、SHED-CMによる細胞増殖の増強が、それぞれの抗体でブロックされることがわかった。さらに、SHED-CMでIMS32細胞を刺激すると、c-METやErbB2-4、その下流のERKやAKTのリン酸化を誘導し、SHED-CMおよび上記のサイトカインは、いずれもシュワン細胞の分化に重要な転写因子EGR2の発現も増強した。 ②SHED-CMのエクソソームの関与:SHED-CM中のエクソソームからRNAを抽出し、GeneChip miRNA Arrayを用いて網羅的に発現解析を行ったところ、アレイに用いた6599種類のmicroRNAの内、845個のmicroRNAが検出された。その中には、シュワン細胞の機能に関与していそうなmicroRNAも含まれていた。そこで、SHED-CMを超遠心機を用いて分離後、上清を蛋白質、沈渣をエクソソーム分画に分けて、まず、NanoSightにより粒子サイズが平均100 nmであることや、エクソソームのマーカー分子CD63とCD81の抗体を用いたウエスタンブロット解析より、両者が綺麗に分離されていることがわかった。そこで、分離前のSHED-CMとコントロール培地、両分画をIMS32細胞に加え細胞増殖を調べると、エクソソーム分画では増殖への影響が殆どなく、蛋白質分画で分離前と同レベルに、細胞増殖を増強した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不死化したヒト脱落乳歯歯髄幹細胞の培養上清(SHED-CM)による実験的自己免疫性神経炎(EAN)の抑制効果とその作用機序が明らかになってきているので、ほぼ計画の予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、当初は、SHED-CMによるT細胞活性化の抑制効果について調べる予定であったが、SHED-CMのシュワン細胞や神経細胞への効果の方が大きいと考え、さらに詳細に調べ、そこまでで論文に纏めることにし、T細胞活性化の抑制効果については先送りにすることにした。 ①SHED-CMによるシュワン細胞のミエリン化増強効果:既報に従い、マウス坐骨神経よりシュワン細胞を分離後、初代培養を行う。この初代培養シュワン細胞、または、ヒトテロメラーゼ遺伝子を導入し株化したhTERT-シュワン細胞株(ATCCより購入)を培養し、そこへSHED-CMおよびコントロール培地を加え、経時的に、細胞を固定し免疫蛍光染色と、細胞溶解液を調製しウエスタンブロット解析により、成熟シュワン細胞への分化マーカーであるミエリン塩基性蛋白質(MBP)やMyelin protein zero(P0)、EGR2の発現増強を調べる。次に、EGR2発現誘導の重要性を明らかにするため、EGR2特異的siRNAおよびコントロールsiRNAを遺伝子導入し、EGR2発現の低下を確認後、成熟シュワン細胞への分化への影響を調べる。 ②SHED-CMによる神経細胞の神経突起伸張増強効果:神経成長因子(NGF)の添加により神経突起伸張能を有するラット褐色細胞腫PC12細胞に、SHED-CM、または、コントロール培地、NGFを加え、48時間後、細胞形態を写真に撮り、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて神経突起の長さを定量し、神経突起伸張能への効果を検討する。SHED-CMに神経突起伸張効果が見られれば、それに関与していそうなNGFやHGF、bFGF、NRG1などのサイトカインに対する抗体を加え、その神経突起伸張能の増強効果がブロックできるか検討し、その作用機序を明らかにする。
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Causes of Carryover |
使用金額の端数を合わせることができなかったため、次年度使用が生じた。残金は、次年度の消耗品代に加えて使用する計画である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] A promising needle-free pyro-drive jet injector for augmentation of immunity by intradermal injection as a physical adjuvant.2023
Author(s)
Sonoda J, Mizoguchi I, Inou S, Watanabe A, Sekine A, Yamagishi M, Miyakawa S, Yamaguchi N, Horio E, Katahira Y, Hasegawa H, Hasegawa T, Yamashita K, Yoshimoto T.
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Journal Title
Int J Mol Sci.
Volume: 24(10)
Pages: 9094
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Induction of potent antitumor immunity by intradermal DNA injection using a novel needle-free pyro-drive jet injector.2023
Author(s)
Inoue S, Mizoguchi I, Sonoda J, Sakamoto E, Katahira Y, Hasegawa H, Watanabe A, Furusaka Y, Xu M, Yoneto T, Sakaguchi N, Terai K, Yamashita K, Yoshimoto T.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 114(1)
Pages: 34-47
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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