2022 Fiscal Year Research-status Report
α-synuclein神経毒性に対するアデノシンA2a受容体阻害の神経保護効果
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22K07532
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 裕康 山形大学, 医学部, 講師 (90436204)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | αシヌクレイン / パーキンソン病 / アデノシンA2a受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)を特徴づけるLewy小体には異常に凝集したα-Synuclein(αS)が蓄積しており、αSの凝集過程がドパミン神経変性に関与していることが示唆されている。 アデノシンA2a受容体(A2aR)阻害薬は非ドパミン系の機序で運動症状を改善させる薬剤として臨床応用されているが、申請者は、A2aR阻害が、抗炎症とαS凝集抑制作用を介して、αSドパミン神経毒性を抑制する可能性を考えた。本研究では、アデノ随伴ウイルスによるαS発現PDモデルを用いて、A2aR阻害によるドパミン神経毒性に対する効果を明らかにすることを目標とした。 2023年度は、研究に用いる組み換えAAV(AAV-αS、AAV-GFP)を準備し、組み換えAAVによる神経毒性効果を確認、ドパミン神経毒性、αS凝集、炎症細胞出現の評価等を行う予定とした。 マウス脳にAAV-αSを接種した脳における組織学的な解析で、ドパミン神経細胞の編成、αS抗体による凝集αS、炎症細胞の評価の為の解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組み換えアデノ随伴ウイルスの作製、精製に時間を要していること、またウイルス接種の問題によるが、ウイルス接種したマウスにおける目的タンパク質の発現に個体毎変動があり、評価可能な個体数の確保が少なかった点が挙げられる。またαS凝集体の評価における免疫染色における異常凝集αSの評価、炎症細胞の評価に時間を要している。 実験に必要な組み換えアデノ随伴ウイルスの作製、精製の準備、評価可能な個体で、ドパミン神経変性、αS陽性凝集体、炎症細胞の評価を順次すすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の目標として、統計学的な解析可能な、適正な部位にアデノ随伴ウイルスを接種した個体数の確保を目標とする。 免疫組織化学的に、残存する黒質線条体ドパミン神経細胞の定量、線条体において異常に凝集したαSの凝集体数を定量、炎症細胞の評価を行う。
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Causes of Carryover |
物品費、人件費が予定より少なく、残額が生じた。次年度以降、飼育管理費、実験試薬への支出として使用される見込みである。
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