2022 Fiscal Year Research-status Report
AIを活用した小児がん陽子線照射のトリプルハイブリッド遠隔治療計画システムの開発
Project/Area Number |
22K07631
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 孝之 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (60400678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 聖心 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10614216)
小橋 啓司 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (70577410)
吉村 高明 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (70807742)
西岡 健太郎 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80463743)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遠隔治療計画 / 陽子線治療 / 小児がん |
Outline of Annual Research Achievements |
陽子線治療を必要とする遠隔地在住の小児がん患者家族の負担軽減を可能とする、医理工連携によるトリプルハイブリッド遠隔治療計画の成立性確認のため、陽子線治療を想定した模擬患者において、体型情報など複数の画像情報を組み合わせ、治療計画復元の初期検証を行った。事前にリモートで取得したCT画像を用いて、陽子線治療準備を先行させるシミュレーションを行い、患者の受診から治療用固定具の作成、治療計画用のCT撮像、照射法の決定・線量計算開始から、作成した治療計画の品質検証、陽子線照射開始までの一連の流れが実行可能であることについて、実験的な手順確認を試みた。まずは変形が少ないと想定される頭蓋内腫瘍を想定した標的を設定し、研究専用の治療計画装置を用いて左右対向2門での陽子線治療計画を作成した。その後治療計画用に撮影されたCT画像に対し同様に標的を設定し、この標的に対して既開発の線量分布復元の手法を用いて先に作成した線量分布(治療計画)の再現を試みた結果、標的に対して初期治療計画と同等の品質の治療計画が生成されていることが確認された。なお、本線量分布復元法を用いず単に初期治療計画の分布をforward計算により治療計画CTへ移植した場合は標的内の線量均一性の低下が確認され、線量分布復元の必要性が示された。以上から、異なるCT画像間であっても線量分布復元法により初期の線量分布を再現可能であること、さらに初期治療計画に用いる画像に対してCT値-相対阻止能変換テーブルが定義されていなくとも治療計画の再現には影響しないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度においては、まずは変形が少ないと想定される頭・頸部から研究を開始した。陽子線治療計画シミュレーションは研究専用の治療計画装置を用いて実施した。頭蓋内腫瘍を想定した標的を治療計画装置にて設定し、左右対向2門での陽子線治療計画を作成した。その後治療計画用に撮影されたCT画像に対し同様に標的を設定し、この標的に対して既開発の線量分布復元の手法を用いて先に作成した線量分布(治療計画)の再現を試みた結果、標的に対して初期治療計画と同等の品質の治療計画が生成されていることが確認された。なお、本線量分布復元法を用いず単に初期治療計画の分布をforward計算により治療計画CTへ移植した場合は標的内の線量均一性の低下が確認され、線量分布復元の必要性が示された。以上から、異なるCT画像間であっても線量分布復元法により初期の線量分布を再現可能であること、さらに初期治療計画に用いる画像に対してCT値-相対阻止能変換テーブルが定義されていなくとも治療計画の再現には影響しないことが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
過去の患者の診断用CT・MRI画像を、AIで予測された放射線治療時の患者体位に合わせて 非剛体変形させた画像データを用いて、陽子線治療の照射計画を作成し、患者が来院した後に精度を評価し、必要に応じて微調整を行うのみで数日以内に照射を開始できるシステムを新たに構築していく。実臨床での使用の際に正確性と安全性とを十分に担保できるよう、様々な条件下で基礎的データを取得することを目標として研究を進めていく。まずは変形が少ないと想定される頭・頸部から研究を開始したが、今後は対象領域を解剖学変化が大きく、難易度がより高いと想定される体幹部へと拡大展開していくことを検討している。
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