2023 Fiscal Year Research-status Report
予後不良18F-FDG-PET高値膵癌を標的としたホウ素中性子捕捉療法
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22K07639
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金平 典之 岡山大学, 大学病院, 医員 (70939008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道上 宏之 岡山大学, 中性子医療研究センター, 准教授 (20572499)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ホウ素中性子補足療法 / 膵癌 / CA19-9 / フコース / 胆管癌 / Krukenberg腫瘍 / プレシジョン医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
CA19-9を標的とした新規ホウ素薬剤であるFucose-BSHの取り込みがICP-MSで上昇していることが確認できた細胞株(HuCCT-1:胆管癌とHSKTC:Krukenberg腫瘍)に対して、BSH抗体を用いた免疫蛍光染色を行い、改めてCA19-9産生癌細胞株において、Fucose-BSHの取り込みを視覚的に確認した。 CA19-9産生膵癌細胞株であるpanc04.03を用いて、Fucose-BSHの取り込み阻害が細胞外L-fucose添加とGLUT1阻害薬であるWZB117投与において、ICP-MSを利用して確認することができた。このことから、既報通り、GLUT1がL-fucoseの細胞内取り込みに一部関与していることが示された。 HuCCT-1と対照としてCA19-9非産生膵癌細胞株であるPANC-1を用いて、Fucose-BSH-BNCTの効果を京都大学原子力研究所で中性子照射を行い確認した。HuCCT-1ではFucose-BSHが良好に取り込まれていることにより、ホウ素線量が増加しコロニフォーメーションアッセイを行うことで、良好な殺細胞効果を確認することができた。また、既存のホウ素製剤であるBPAでの実験も施行したが、HuCCT-1においてBPAと比較して、Fucose-BSHでの良好な殺細胞効果も確認することができた。 HuCCT-1を用いて、BALB/c-nu/nuで皮下モデルマウスを作成し、Fucose-BSHの薬物動態評価を行い、投与後1時間でのモデルマウスにおける中性子照射を行った。対象として、ホウ素製剤を投与していない群とBPA投与群を用意し、Fucose-BSH投与群と比較したところ、Fucose-BSH-BNCTでは良好な腫瘍縮小効果を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Fucose-BSH-BNCTの効果が細胞照射ならびに動物モデル照射においても確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題として、臨床応用を見据えたFucose-BSHのイメージングのための創薬などを検討している。
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Causes of Carryover |
研究が想定より順調に進んだことにより、動物照射を行うためのマウス購入量が予定よりも増加したため。
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