2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of on-line Adaptive Radiotherapy for Uterine Displacement and Deformation using High-Field MR Linac
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22K07661
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宇野 隆 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30302540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 元 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20649280)
根本 未歩 (渡辺未歩) 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50568665)
恒田 雅人 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (60800753)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MR-only simulation / MR画像誘導 / 臨床ワークフロー |
Outline of Annual Research Achievements |
1)MR-only simulationの技術開発:MR画像データをCTのような画像に変換する手法の開発を進めた。MR-only simulationの臨床導入に必須とされる合成CT(Synthetic-CT: sCT)の開発として、Philips社製 MRCAT (Magnetic Resonance for Calculating ATtenuation)を導入し、臨床症例の多い前立腺癌において当施設での複数の画像データを用いAI深層学習により、多シークエンスMRI画像をもとにsCT画像の合成を行った。CTによる治療計画とMR-only simulation(sCT)による治療計画とで線量パラメータの相違を評価可能な段階まで進めた。MRCATはTissue Class Segmentation Methodを採用しており、今後、子宮・女性骨盤に関しては研究を進める。R5年度には女性骨盤を模した固体ファントムを作成し、画像取得と線量測定を行う予定である。 2)動きのある臓器に対する臨床ワークフローの確立:MR画像誘導即時適応放射線治療を実施するための新たな臨床ワークフローを確立し、R4年9月時点でその実現可能性を検証した。肺や肝臓がんに対しては、横隔膜の動きから算出する呼吸波形とMRシネ画像を使用した腫瘍の位置変動把握を確立した。子宮頸がんなど骨盤腫瘍に対しては腸管ガスや膀胱容量といった生体情報と3断面のMRシネ画像を使用することが決定された。治療寝台上で撮影したMR画像をもとに臓器輪郭を修正し新たに強度変調放射線治療計画を行うことで、あらかじめ設定された線量制約がすべて達成されることが証明された。一方、位置修正のみで照射や形状およびフルエンスを固定して照射計画を立案しても5症例で14の線量制約が未達成となることが示され、新たな臨床ワークフローの実現可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度の最も重要な目標であった、MR画像データをCTのような画像に変換する手法を開発することが概ね達成されたため。MR画像データをCTのような画像に変換する手法の開発が進められ、MR-only simulationの臨床導入に必須とされる合成CT(Synthetic-CT: sCT)画像が実臨床例で複数作成された。また、これらを用いて実際の治療計画装置上で線量分布を作成し、線量制約が達成されることおよび臨床使用に耐えられる線量分布が得られた。症例を重ねることで新しい臨床ワークフローが確立し、その実現可能性を検証できたことで、次年度以降は女性骨盤腫瘍に対する新たな画像誘導放射線治療が開発可能となった。MR-only simulationの技術を今年度確立した臨床ワークフローに組み込むことで、治療ビーム以外の放射線被ばくがない新たな画像誘導放射線治療の開発に目途が立った。これらの実績から上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
MR-only simulationについては、女性骨盤を模した固体ファントムを作成し、CTによる治療計画とMR-only simulation(sCT)による治療計画とで線量パラメータの相違を評価する。一方、骨盤内での動く臓器に対する動態解析については、現状のシネMR画像でのモニタリングでは、1秒あたり5枚(5Hz)の画像しか得られないため、時間分解能に劣るという問題がある。この点を解決するために機械学習を用いて取得されるシネ画像から3次元腫瘍位置の変動を予測する方法を確立し、即時適応治療計画時における機械学習を用いた臓器輪郭の自動生成ならびに正確な線量評価法を開発する。MR画像誘導即時適応放射線治療の工程において、腫瘍および正常臓器の輪郭生成と最適化・線量計算の高速化かつ高精度化が重要である。今後、本研究では一般公開されているMR画像と輪郭情報に加え、実臨床でのデータを用いて、敵対的生成ネットネットワーク(Generative Adversarial Network: GAN)などを活用した自動輪郭作成システム開発を目指す。
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Causes of Carryover |
婦人科骨盤を見込んだファントム作成が次年度(R5年度)にずれ込んだため。
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