2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性心筋虚血の病態解明に向けた冠微小循環障害の非侵襲的CT診断法の確立
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22K07745
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北川 覚也 三重大学, みえの未来図共創機構, 教授 (50378353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 泰郎 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (50730206)
佐久間 肇 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60205797)
市川 泰崇 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (80725127)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 微小循環障害 / ダイナミックCTP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、冠動脈微小循環障害を特徴づけるCT指標を同定し慢性心筋虚血における表在冠動脈疾患と微小循環障害の寄与度の総合的評価を行うため、三重大学 医学部附属病院で実施された包括的心臓CTや過去に実施した多施設共同研究で収集したデータの後方視的検討を行う。また、前向きに登録した研究協力者において、同定したCT指標のvalidationを心臓カテーテル検査と心臓MRIを用いて実施する。本研究においてキーとなる解析手法としてドイツ人研究者が開発したフラクタル 解析がある。 2023年度は、前年度に整備したダイナミックCTPのフラクタル解析実施環境を利用して、2012年1月から2022年9月までに慢性冠動脈疾患に対する待機的PCIの前120日以内と後400日以内の2回CTPを受けた患者を抽出し29例を対象とした解析を行った。解析結果はRSNA2024で発表を予定している。また、CTPを用いた微小循環障害判定においてはtest-retest reproducibilityが重要であるため、2回のCTP検査の間に侵襲的治療介入が行われなかった30例を後ろ向きに抽出して、MBF値や視覚的血流異常の有無や広がりの再現性を検討し、論文のドラフトを作成した。さらに血液透析を必要とする末期腎不全患者の予後予測のおけるCTPの有用性を後ろ向きに検討し局所的な血流異常の有無よりもglobal MBFがより強く心血管イベント発生と関係していることを、ECR2024にて学会発表し、論文ドラフトを作成した。 前向き登録研究に関しては2023年3月に発表されたガイドラインを参考の上、施設内各部局と調整の上、研究計画書を作成し研究倫理審査委員会へ提出した。2024年5月末より研究を開始できる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前向き研究に関し、施設内の他の研究との兼ね合いにより、患者リクルートや実施検査の内容等の調整に時間がかかり、患者リクルートの開始が2024年5月となる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
後ろ向き研究に関しては順調に進んでおり2024年度中に複数の論文を公表できる見込みである。また、test-retest reproducibilityや末期腎不全患者の予後といった派生研究においてもフラクタル解析を追加していく。 前向き研究は、当初、radiowater PET検査をvalidationに用いる予定であったが、他の研究により検査枠が2024年末までとれない状況であるため、代わりに心臓MRI検査を用いることとした。 フラクタル解析の開発者であるドイツ人研究者を2024年4月より我々の研究チームの一員として迎えることができた。これにより研究が加速すると考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた海外学会への出席が、別のタスクとのコンフリクトにより叶わなかったことが次年度使用額が生じた理由である。2024年度に後ろ向き研究の成果発表のための海外学会出席に使用する。
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