2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K07805
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
久慈 一英 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90283142)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 飢餓状態 / F-18-FDG-PET / 糖代謝変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍によってFDG集積分布の変化が予想される。集積変化を理解し、FDG-PET/CTの変化を臨床に生かすことを目的として、採血による代表的な栄養因子とFDG生理的集積および糖代謝率、腹部画像解析による結果を併せて、FDG集積変化を調べた。食道癌および悪性リンパ腫患者を対象として、 F-18-FDG-PET/CT実施時に採血を行い、どのような栄養状態や絶食状態であるかを確認して、FDG-PET分布を確認する研究を開始している。画像解析では新規の半導体PET/CTにて、全身ダイナミック撮影による糖代謝解析も併用している。 約76例を実施した。解析項目は、主要臓器SUV: SUVpeakまたはSUVmean、主要臓器CMRGluc: Ki、Vd、CTによる腹部解析:脂肪量、筋量、脂肪筋割合、飢餓状態の強度をケトン体濃度とする。 このうち食道癌例で、結果をまとめ、学会発表を行った。患者の栄養状態は、絶食による飢餓状態への影響が示され、特に大きな腫瘍により栄養状態が悪いと、飢餓状態に反映されることが確認された。SUVは、腫瘍体積の影響を受けている。大きな腫瘍の場合は、早期に腫瘍にFDGが集積する分、その他の臓器の生理的集積が低下している。Patlak解析により、Kiを評価することにより、腫瘍体積(MTV)の影響の無いFDG集積解析が可能である。 腫瘍患者の病理組織や予後との相関についてSUVやMTVとは異なる結果が得られる可能性があるので、さらに検討することが妥当であると考えられた。肝臓ではインスリンに比例して集積が増加し、血液プールは腫瘍への集積を除けば、インスリンの影響で増加し、ケトン体の影響で低下することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
患者エントリーが順調に進んでおり、実施患者が目標に近づいている。
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Strategy for Future Research Activity |
がん患者における栄養状態が飢餓状態に反映されることがわかったので、さらに各種の悪性腫瘍に対象を広げて、変化を見ていくこととする。また、治療による変化についても解析するために、治療前後の変化をセットで観察する。 飢餓状態の程度について、FDG-PET画像によって判断することができるかについて検討しておくこととする。糖尿病薬による変化にも注目しており、飢餓状態への影響を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
学会への出張費が少なかったために残額が残った。 論文化への経費とするために、繰り越した残額を使用する予定である。
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