2022 Fiscal Year Research-status Report
新規の近赤外光時間分解測定を用いた新生児の脳浮腫評価
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22K07822
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 崇範 香川大学, 医学部, 教授 (30274294)
上野 正樹 香川大学, 医学部, 教授 (30322267)
中村 信嗣 香川大学, 医学部, 助教 (30437686)
光家 努 香川大学, 医学部附属病院, 技術職員 (30937967)
星 詳子 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任教授 (50332383)
森本 絢 香川大学, 医学部附属病院, 医員 (80813881)
中尾 泰浩 香川大学, 医学部附属病院, 医員 (80867721)
有岡 誠 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (90851882)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低酸素性虚血性脳症 / 脳浮腫 / 近赤外光 / 時間分解測定 / 新生仔豚 / 新生児 / 脳血液量 / 脳内Hb酸素飽和度 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】低酸素性虚血性脳症(HIE)は、低体温療法を行っても、その約半数が予後不良のままある。更なる予後改善のためには、できるだけ早期の重症度診断及び、脳保護治療の開始が重要である。【目的】新生仔豚仮死モデルで、低酸素虚血(HI)負荷後30分間の脳血液量(CBV)値変化と病理組織学的脳障害の関係を明らかにする。 【対象と方法】生後24時間以内の新生仔豚を用いて、吸入酸素濃度(FiO2)を4%前後に減少させることでHI負荷を行った。負荷前から負荷後30分間まで、近赤外光時間分解分光装置(TRS)によるCBV・脳内Hb酸素飽和度(ScO2)を測定した。負荷後5日目に脳白質、灰白質、海馬、小脳の4部位の病理組織学的障害をスコア評価した。 【結果】HI負荷後0-6時間の予後別のCBV値変化を調べた。負荷後0分から負荷後5分、10分、15分、30分におけるCBV変化量と脳の病理組織学的スコアとの関係は、負荷後0分から10分、30分値は4部位全てで正の相関を認めた。またScO2、HR、MAPについても調べたが相関は認めなかった。【考察】HI負荷後30分におけるCBV値変化は,脳血流自動調節障害による脳血液のうっ血と考えられた。HI障害は、脳血流量(CBF)が維持される代償期と、それに続くCBFが維持不可能な非代償期に分けられる。代償期の蘇生では、脳障害が軽度で脳自動調節能が維持され、血圧やHRの上昇を認めてもCBFは安定し、CBV増加は少なく速やかに低下すると思われる。一方で、非代償期に至ってから蘇生した場合は、脳障害は重度で脳血流自動調節機能が低下し脳血管弛緩のため、負荷後の血圧やHR上昇の影響を受けCBFは上昇し、その結果CBVも上昇すると推察された。【結語】本研究では、HI負荷後30分以内のCBV変化量と脳の病理組織学的障害に正の相関があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低酸素性虚血性脳症の病態生理の理解のため、新生仔豚を利用し低酸素虚血動物モデルを構築し、脳血液量や脳内Hb酸素飽和度の測定を行い、特に脳血液量の変化で脳障害の予後予測が可能な事が理解出来た。今後、このモデルを中心に研究を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、組織学的に脳浮腫の様子を観察し、それに伴う光学的パラメーターの変化を検証する。また低酸素虚血負荷後に水素吸入により脳浮腫軽減を行い、その変化が観察可能か検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症のため動物実験が計画通りの頭数ができていないため、今後計画を進める。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Impact of hydrogen gas inhalation during therapeutic hypothermia on cerebral hemodynamics and oxygenation in the asphyxiated piglet.2023
Author(s)
Nakamura S, Nakao Y, Htun Y, Mitsuie T, Koyano K, Morimoto A, Konishi Y, Arioka M, Kondo S, Kato I, Ohta KI, Yasuda S, Miki T, Ueno M, Kusaka T.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 13
Pages: 1615
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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