2023 Fiscal Year Research-status Report
Interaction of Myelin-Axon reveled new pathological mechanism in angelman syndrome
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22K07868
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大谷 嘉典 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30815973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 浩平 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50768455)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アンジェルマン症候群 / myelin / oligodendrocyte / OPC |
Outline of Annual Research Achievements |
Ubiquitin Protein Ligase E3A(以下Ube3a)遺伝子は、その母性欠失により、重度な発達障害や自閉スペクトラム症様症状を呈するアンジェルマン症候群(Angelman syndrome: 指定難病201番) を発症する (Rotaru DC, Neuroscience 2020) 。 これまでの研究により、ニューロン特異的な母性由来 Ube3a 発現の変化が病態の原因となると考えられてきた。しかし、神経幹細胞特異的 Ube3a ノックアウト(以下 KO)マウスでは、母方Ube3a KOマウス(アンジェルマン症候群モデルマウス)の行動異常等の表現型を再現できるが、抑制性および興奮性のニューロン特異的 Ube3a KO マウスではその症状は比較的軽く、また両者の表現型を合わせても、完全には母方Ube3a KOマウスの表現型を再現しない(Judson MC, Neuron 2016)。このことは、アンジェルマン症候群の病態にグリア細胞の異常も関わっていることを示唆している。 現在まで、UBE3A full KOマウスを形態学的に解析し、軸索径の異常とミエリン径の異常があることを明らかとした。またこの現象が細胞自律的に起きているかどうかオリゴデンドロサイト前駆細胞を単離し、オリゴデンドロサイトへ分化させるとUBE3A KOマウスでオリゴデンドロサイトへの分化の異常が明らかとなった。 以上のことから、オリゴデンドロサイトの異常がアンジェルマン症候群で起こるミエリン形成の病態に関連することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オリゴデンドロサイト系譜細胞特異的なUBE3a欠損マウス(Ube3a flox; PDGFRa-Cre)の作成が終了し、現在このマウスを増やし、解析を行っている途中である。 このことから概ね順調に計画は進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、新たに細胞特異的な異常を解析するために、ニューロンおよびオリゴデンドロサイト系譜細胞特異的なUBE3a欠損マウス(Ube3a flox::Rbp4-CreおよびUbe3a flox; PDGFRa-Cre)を作製し、それらマウスを解析に用いることで細胞特異的にUbe3aを欠損させることができ、このマウスを用いて、行動試験や形態学的な解析を行うことで、ニューロンの疾患と思われていたアンジェルマン症候群でグリア細胞もその病態に関与することを証明することを目指す。
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Causes of Carryover |
今年度で論文の投稿を目指したが、より上の論文誌を目指したため、論文投稿費を次年度に持ち越すことにした。
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Research Products
(3 results)