2022 Fiscal Year Research-status Report
HBV HBxを標的とした創薬の多角的アプローチ: cccDNA排除を目指して
Project/Area Number |
22K07980
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山下 篤哉 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00334871)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HBV / HBx / cccDNA / 抗ウイルス化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
HBV蛋白質の一つHBxはcccDNAの安定化と維持に必須である。本研究では、cccDNAの維持に関与しているHBxの以下の3つの過程①転写制御過程、②タンパク分解過程、③cccDNA制御過程の3つの部位を標的とし、多角的なアプローチでHBV cccDNA排除可能な化合物の探索をおこなっている。まず、①転写制御過程については、HBx はEnhancer I-X promoterによって発現が制御される。そこで、Enhancer I-X promoter転写活性をLuciferase活性で測定出来るレポーター細胞(Enhancer I-X promoter Luc細胞)を作製し、Enhancer I-X promoter転写活性を抑制し、抗HBV活性を有する化合物の同定を試みた。)スクリーニングソースとして、FDA-approved drug library(1470化合物)を用いてスクリーニングを行った。その結果、Enhancer I-X promoter活性を抑制する22化合物を見出した。これらのヒット化合物について、Enhancer I-X promoter抑制活性の詳細な解析及びHepG2.2.15.7細胞を用いた抗HBV活性を検討した結果、Cariprazin(抗精神病薬)、Aripiprazole(抗精神病薬)、Vorapaxar(抗血栓薬)、及びFosaprepitant dimeglumine(制吐薬)の4種のヒット化合物を得た。更に、これら化合物の抗HBV活性をHepG2 -hNTCP-C4細胞及びPXBマウスから分離された新鮮ヒト肝細胞PXB細胞を用いて確認したところHBV感染抑制活性が見られた。また、Hep38.7 tet細胞を用いて、cccDNA産生抑制活性評価したところ、いずれの化合物も細胞内cccDNA量を有意に減少させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Enhancer I-X promoter活性を抑制し、HepG2.2.15.7細胞やHepG2 -hNTCP-C4細胞及びPXB細胞において抗HBV活性示す、Cariprazin(抗精神病薬)、Aripiprazole(抗精神病薬)、Vorapaxar(抗血栓薬)、及びFosaprepitant dimeglumine(制吐薬)の4種のヒット化合物を得ることが出来た。更に、これらの4種のヒット化合物について、Hep38.7 tet細胞を用いたcccDNA産生抑制活性試験を行ったところ、いずれの化合物も細胞内cccDNA量を有意に減少させた。従って、目標としたHBV cccDNAを減少させる化合物を現時点で見出すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
4種のヒット化合物の様々な読誘導体や類縁体を作製し、より高い抗HBV活性を持つ化合物を得ることを目標とする。また、化合物がcccDNAを抑制するか否かを簡便に評価出来る測定系を確立し、HBxのタンパク分解過程及びcccDNA制御過程の部位を標的とした、cccDNAを抑制する化合物の探索を行う。
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Research Products
(3 results)