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2023 Fiscal Year Research-status Report

低リスク患者の食道扁平上皮癌の発がん分子機序の解明

Research Project

Project/Area Number 22K08003
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

後藤 裕樹  山形大学, 医学部, 医員 (50912119)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsESCC / トランスクリプトーム解析 / GSTM1 / 粘膜上皮内癌 / 基底層領域
Outline of Annual Research Achievements

本研究では食道扁平上皮癌(ESCC)の重要なリスク因子である飲酒歴や喫煙歴のない、低リスクの女性に生じる表在型ESCCに焦点をあて、CDKN2A遺伝子を軸とした遺伝子変化や、エストロゲンや細胞老化との関連性を明らかにし、この機序の制御が新しい治療標的となりえるかを明らかにすることを目的としている。2023年度は、内視鏡的食道粘膜下層剥離術にて切除したESCCのFFPE組織を用いて網羅的なトランスクリプトーム解析を行った。発癌初期の遺伝子発現変化をとらえるために粘膜上皮内ESCCを対象とし、またESCCの発生母地と考えられる基底層領域に着目した。粘膜上皮内ESCC組織を基底層領域とその上層に顕微鏡下で正確に切り分け、それぞれの組織からRNAを抽出し、RNAシークエンス解析を行った。得られた遺伝子発現データを、背景のリスク因子(飲酒や喫煙、性差)に分けて比較し、非癌部や癌部の基底層領域での細胞老化やその関連因子をはじめとした特徴的なmRNA発現変化の同定を行った。非癌部基底層領域、癌部基底層領域の発現を非飲酒喫煙女性、飲酒喫煙女性、飲酒喫煙男性の3群でそれぞれ比較すると、非飲酒非喫煙女性ではSPRR3、KRT4、CSTAの発現が癌部で低下したが、これらは飲酒喫煙のある男女の癌部でも発現が低下しており、非飲酒非喫煙の女性に特有にみられる発現変化でなかった。非癌部基底層領域で非飲酒喫煙女性、飲酒喫煙女性、飲酒喫煙男性の3群で発現を比較すると、GSTM1の発現に差を認めた。GSTM1の発現は非飲酒非喫煙女性と正常群でみられたが、飲酒喫煙の男女の群では発現がみられなかった。CDKN2Aの発現の比較や、細胞老化やエストロゲンの発現についてはFFPE検体を用いた今回の研究では十分な検討ができなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

非飲酒非喫煙女性は症例数が少なく、既存の検体のFFPE組織を用いてRNAシークエンスを行った。FFPE検体からのRNAシークエンスは検体の質に十分に留意する必要があり、検体の品質管理やRNA抽出方法の調整に時間を要したが、おおむね計画通りに行った。

Strategy for Future Research Activity

2024年度はGSTM1とCDKN2Aが非飲酒非喫煙のESCC群の発癌に及ぼす影響を検討するため、正常食道扁平上皮株を用いた実験を予定している。

Causes of Carryover

前年度の予算については概ね予算の通りに使用した。
次年度は差額分もあわせて、正常食道扁平上皮の細胞株を用いた実験のため使用する見込みである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] リスク別にみた粘膜上皮内食道扁平上皮癌の基底層領域の癌部と非癌部でのトランスクリプトームの比較2024

    • Author(s)
      後藤 裕樹
    • Organizer
      第110回 日本消化器病学会総会
  • [Presentation] 粘膜上皮内食道扁平上皮癌の基底層領域のトランスクリプトーム解析2023

    • Author(s)
      後藤 裕樹
    • Organizer
      第31回 JDDW (日本消化管関連学会週間)

URL: 

Published: 2024-12-25  

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