2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of plasma kallikrein-dependent TGF-beta activation and liver fibrosis using the knock-in-mice
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22K08067
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
古谷 裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80392108)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 肝がん / TGF-β / ノックインマウス / 血漿カリクレイン |
Outline of Annual Research Achievements |
TGF-βが血漿カリクレインにより切断され活性化することを我々の研究グループでは見出している。この切断はTGF-βの前駆体であるLAPのArg58, Leu59の間で起き、LAPのN末側が細胞外マトリックス残り、C末側が血中に放出され、初期の肝線維化を検出するマーカーとして有用なことが解っている。しかし、血漿カリクレイン依存的なTGF-βの活性化が肝線維化と肝がんにおいて果たす役割は不明のままであった。そこで、LAP切断部位Arg58, Leu59をAla58, Ala59に置換した変異を導入することにより切断できない配列を持つノックインマウスを作製しライン化した。このノックインマウスを用いて胆管結紮モデルを作製し、肝線維化マーカーであるコラーゲンタイプIと活性化型肝星細胞のマーカーであるαSmooth muscle actin (αSMA)の発現量を解析した。その結果、コラーゲンタイプIとαSMAは胆管結紮3日目では発現量に差はなかったが、胆管結紮13日目では野生型マウスと比較してノックインマウスで有意に減少していることが明らかとなった。従って、これまで解析したALT、ASTに加え肝線維化マーカーの遺伝子発現もノックインマウスにおいて抑制されていることが示された。ノックインマウスのライン化を行ったので、ノックインマウス同士の掛け合わせにより肝線維化・肝がんモデルマウスを作製するための十分な匹数を確保できるようになった。脂肪肝炎モデルを作製しており、肝線維化マーカーの解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライン化したノックインマウスの自然交配により実験に用いるマウスを確保できるようになっており、肝線維化モデルの作製を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ノックインマウスをライン化し、ノックインマウス同士の自然交配により実験に用いるマウスを十分確保できるようになった。今後これらのマウスを用いて、脂肪肝炎モデル、四塩化炭素による肝線維化モデル、ジエチルニトロサミン(DEN)による化学発がんモデルを作製し、血漿カリクレイン依存的なTGF-βの活性化と肝線維化、肝がんとの関連を調べる。
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Causes of Carryover |
肝線維化モデルマウスを解析する際に消耗品を購入する必要があり、主な解析を次年度より開始することとなったため、次年度使用額が生じた。
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