2022 Fiscal Year Research-status Report
NASHマウスの動脈硬化,発癌に対するエロビキシバット,コレスチラミンの有効性
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22K08081
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩城 慶大 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (70869172)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / エロビキシバット / コレスチラミン / 発癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
NASHモデルに対するエロビシキバット単剤投与、コレスチラミン単剤投与、エロビキシバットとコレスチラミン併用投与による効果は確認しており,今回発癌モデルに対して、エロビシキバット単剤投与群(E群)、コレスチラミン単剤投与群(C群)、エロビキシバットとコレスチラミン併用群(EC群)と設定し、発癌に対する効果を検討した.まず,発がん物質であるジエチルニトロサミン50 mg/kgを6~12週齢に2週間毎に腹腔内投与を行い,4週齢からAMLN食(高脂肪高果糖高コレステロール食)を与え,32週齢において肝臓内の発がんを確認した.普通食群を与えられた場合は,平均腫瘍数3.1個,平均腫瘍径2.2mmであったが,AMLN食投与されたNASH群では平均腫瘍数23.9個,平均腫瘍径14.7mmでああり有意に発癌を認めた.さらに発癌モデルであるNASH群に治療薬(エロビキシバット,コレスチラミン)は,24週-32週まで投与を行った. 結果として,NASH群で有意に高くみられた腫瘍個数、腫瘍最大径は、エロビキシバットとコレスチラミン併用投与により,平均腫瘍数16.1個,平均腫瘍径8.7mmと有意に抑えられた. エロビキシバット単剤投与(平均腫瘍数25.0個,平均腫瘍径9.7mm),コレスチラミン単剤投与(平均腫瘍数36.0個,平均腫瘍径15.0mm)に比べ,発癌効果も高いという結果が得られた.原因としては,NASHの病態改善,肝機能改善に伴う,発癌予防効果であると推測している
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究全体として発癌モデル,動脈硬化モデルでのエロビキシバット,コレスチラミンの効果を検討しているが,発癌モデルの検討は予定通りに経過していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,発癌モデルに加えて,動脈硬化モデルでの検討も行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
2022年度のみでは発癌モデルに対する研究に時間を要してしまい,予定していた研究を完遂することができなかったため,2023年にも引き続き研究を行う.2023年度ではApoE欠損マウスにAMLN負荷をしたアテローム性動脈硬化モデルに対する,エロビキシバット,コレスチラミン併用療法の有効性を評価する.冠動脈におけるプラーク形成、大動脈におけるプラーク形成の評価、背景肝・LDL-R やPCSK9 など関連因子の評価をRT-PCR やELISA、Western blot にて検討を行う.
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