2022 Fiscal Year Research-status Report
小児心筋症における遺伝子異常と予後の関連に関する研究
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22K08114
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
原田 元 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10623259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷 喜幸 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10424673)
稲井 慶 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80318063)
中西 敏雄 公益財団法人榊原記念財団(臨床研究施設・研究部門), 榊原記念クリニック, その他 (90120013)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心筋症 / 原因遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋症には、肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症、左室緻密化障害、不整脈源性右室心筋症がある。心筋症の原因は完全には明らかではないが、遺伝子異常が大きく寄与すると推測されている。我々は、これまでに我が国で初めて小児心筋症の全国調査を行い、肥大型心筋症の小児の5年生存率は84%、拡張型心筋症の5年生存率は64%、拘束型心筋症の5年生存率は58%であることを明らかにした。これらの生存率は、欧米のデータと差違があった。生存率の違いは、遺伝子異常の人種差に起因する可能性がある。しかし、遺伝子異常と臨床所見との関係は未だ明らかでない。原因遺伝子を調べ、予後との関係を明らかにし、予後不良の患者群に対してより厳重で適切な対処をするなど管理法を改善する必要がある。 R4年度は、当施設において、小児心筋症における肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症、左室緻密化障害、不整脈源性右室心筋症患者より、対象となる対象患者のサンプルリストを作成する。そしてそれらの血液サンプルまたは保存されている細胞株より、ゲノムDNAを抽出し、遺伝子解析に必要なDNAの準備を行う。 2)遺伝子情報と臨床データから、小児心筋症の遺伝子異常と予後の関係の検討 得られたデータを基に、心筋症患者の表現型と遺伝子型との関連性を統計解析する。遺伝子型と表現型との検討を行い、予後に関連するファクターを明らかにするための指標を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
12歳以下の心筋症患者138名において、ゲノムDNAの抽出がすべて終わり、エクソーム解析の準備が整った。おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、心筋症患者において、エクソーム解析をすすめ、原因遺伝子を調べ、予後との関係を明らかにし、予後不良の患者群に対して原因遺伝子と心筋症疾患との関係性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
心筋症患者におけるエクソーム解析実施における解析方法について、メソッドの変更を検討中であり、本年度の実施はできなかったが、解析方法を検討後、引き続き行い、原因遺伝子変異の探索と予後の関係性を検討する予定である。
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