2022 Fiscal Year Research-status Report
NotchリガンドDll1による動脈硬化プラーク不安定化機構の解明と新規治療開発
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22K08158
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
古賀 純一郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (10746142)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / Notch |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度はDll1機能阻害が動脈硬化不安定化に及ぼす作用を明らかにするためApoE欠損マウスを用い長期高脂肪食負荷モデルを作成した。8週齢より高脂肪食を開始し、20週齢よりDll1阻害抗体もしくは対照のIgGを週2回投与し、32週齢時に大動脈を摘出、病理組織学的評価を行った。現時点ではDll1機能阻害によりプラーク内コラーゲン含量の増加などプラーク不安定化が抑制されたことを示唆する結果を得られており次年度、サンプル数を上乗せしデータの信頼性を確保する。 培養マクロファージを用いた実験ではDll1により炎症性マクロファージへの分化が促進されることを示唆する結果を得ており、現在、その細胞内シグナルについて解析中である。特にDll1-Notch下流の古典的経路、非古典的経路に着目し、これまで詳細が不明であったDll1によるマクロファージ活性化機構の詳細を明らかにすべく検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度はApoE欠損マウスにおいてDll1機能阻害がプラーク不安定化に及ぼす影響を明らかにすることを主目的としており、サンプル数を今後、上乗せする予定であるが、初期の結果は得られている。また、培養マクロファージを用いた系についてはDll1-Notch以下の分子メカニズム解析を行っており順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は当初計画通りDll1によるマクロファージ機能制御機構の詳細を明らかにすることを試みる。動脈硬化を来した血管のRNA-seqを行い、Dll1がどの様な細胞内シグナルに影響を及ぼすかを明らかにするとともに、マクロファージの時空間的動態解析を行い動脈硬化プラークにおけるマクロファージの動態について検証する。
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Causes of Carryover |
令和4年度、ApoE欠損マウスを用いた動物実験、マクロファージを用いた細胞実験にかかる費用を計上していたが、研究室の人員減少に伴い令和4年度下半期を中心に当初想定額を下回る消耗品費支出となった。しかし、当初計画にある実験については引き続き行う予定としており、令和5年度に本経費を使用し実行予定である。
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