2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of human skin equivalent for atopic dermatitis with human iPS cells-derived sensory neurons: elucidation of mechanism of itch sensitivity
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22K08412
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鎌田 弥生 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00410035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
冨永 光俊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50468592)
外山 扇雅 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (50805893)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感覚神経 / 三次元培養皮膚モデル / アトピー性皮膚炎 / かゆみ / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎はかゆみのある湿疹を主病変とする疾患で、難治性のかゆみは不眠や集中力低下をもたらし、患者のQuality of Lifeは著しく低下する。ADで見られるかゆみ過敏は表皮角化細胞が産生するセマフォリン3Aなどの神経反発因子が減少し、本来真皮内にある神経線維が表皮内まで伸長し、増生することが一因であると考えられている。そこで本研究はヒトiPS細胞由来感覚神経と共培養した三次元培養ヒトADモデルを構築し、AD病変部の軸索ガイダンス分子の発現変動機序と表皮内神経線維の動態を明らかにすることにより、表皮内神経線維を制御する新しい鎮痒法の開発に応用することを目指す。 令和4年度はヒトiPS細胞から末梢感覚神経を誘導する方法を習得し、将来的に表皮角化細胞や真皮線維芽細胞との共培養系を確立するため、培地条件の検討を行った。問題点として、感覚神経への分化誘導効率が低く、培養条件の詳細な条件設定が必要であると考えられた。また、AD類似表皮角化細胞を作製するため、ADの病態形成に関わるサイトカインを組合せて培養表皮角化細胞に加え、フィラグリンや軸索ガイダンス分子の発現変動を指標に評価した。その結果、フィラグリンはいずれの組合せでも発現減少したが、神経反発因子セマフォリン3Aの発現減少と神経成長因子の発現増加は認められなかった。以上のことからAD病変部を模倣するためにはサイトカイン環境だけでなく、バリア破壊などの他の処理が必須であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iPS細胞から感覚神経を誘導するまでに、時間がかかり、当初の予想より誘導効率もあまり良くなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞の実験に並行して、ラットDRG細胞を用いて、皮膚細胞との共培養系の予備実験を進める予定である。また、単層培養系を用いた先行研究の結果を参考に、ADの急性病変及び慢性病変を模倣した三次元培養皮膚モデルの作製を進めることを予定している。
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Causes of Carryover |
iPS細胞から末梢感覚神経の分化誘導に想定以上の時間を要したため。次年度はiPS細胞に並行して、ラットDRGを用いて皮膚細胞との共培養の予備検討を進める。
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Research Products
(7 results)