2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K08490
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松村 到 近畿大学, 医学部, 教授 (00294083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏和 近畿大学, 医学部, 准教授 (40360846)
口分田 貴裕 近畿大学, 医学部, 講師 (70580603)
森田 泰慶 近畿大学, 医学部, 講師 (80411594)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性骨髄性白血病 / 微小残存病変 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、チロシンキナーゼ(TKI)投与中あるいは中止後の慢性骨髄性白血病(CML)症例に検出される微小残存BCR-ABL mRNAやDNAの由来を解析することで、より適切なモニタリングや治療方針の決定のための分子病態を明らかにする。また、CML幹細胞が残存している場合には、その特性を明らかにし、新たな治療法の開発につなげることを目的としている。 まず、本年度は初発時およびABL-TKI投与3, 6, 12, 24ヶ月後の患者骨髄における、申請者らが同定したCML幹細胞集団(CD34+38-120a+225+細胞, LSC)の割合を算出し、TKI別にその変化を解析した。TKIの種類に関わらず、LSCの割合はBCR-ABL mRNAの発現変化と同様に、TKI投与3ヶ月後までの急速な減少、以降の緩徐な減少の2相に別れた。第二世代TKIであるdasatinib, nilotinib, bostinib投与例では、第一世代TKIであるimatinib投与例と比較して、1相においてよりLSCの割合が低下し、2相の減少もより顕著であった。一部には1相の減少後、ほぼ一定の割合を推移する症例も存在した。LSC, HSCにおける抗腫瘍免疫に関わる免疫チェックポイント分子の発現を網羅的に比較した結果、CD274 (PDL1)の他, CD155 (TIGIT), CD270 (TNFSFR14), GAL9等の抗腫瘍免疫の抑制性分子の発現が、HSCと比較してLSCにおいて有意に高いことを見出した。さらにそれぞれ初発時よりもTKI投与中により強く発現を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、生体内に残存するCML幹細胞のTKI投与中の割合の変化について、また抗腫瘍免疫回避機構について、CML幹細胞集団に発現する免疫チェックポイント分子の発現解析を行なった。その結果、LSC割合の減衰はTKIの世代により差はあるもののいずれも2相性であること、一部の症例では一定の割合で減少することなく推移することが明らかとなった。さらに、LSCに発現する免疫チェックポイント分子は、TKI投与により発現が上昇しており、TKI投与中の生体内での維持に強く関わっている可能性が示唆された。我々の研究を通して、抗腫瘍免疫を標的としたCMLに対する治療戦略として、TKIと複数の免疫チェックポイント分子に対する阻害薬の有用性、さらに免疫チェックポイント分子の発現制御機構の解明の重要性が示唆されたことから、ほぼ当初の目標通りに研究を遂行できていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、TKI投与後残存しているLSCを用いてRNAシーケンスを実施しており、正常造血幹細胞(CD34+38-120a-225-細胞)と比較することでその特性につき解析する。さらに令和5年度は、TKI投与中あるいは中止後のCML症例に検出される微小残存BCR-ABL mRNAやDNAがCML幹細胞に由来するものか、寿命の長いBリンパ球やTリンパ球に発現するものかを明らかにする。さらに、CML幹細胞におけるCD120a/NF-κB経路の役割、免疫チェックポイント分子の発現制御機構、IDO1の発現変化についての解析も行い、抗腫瘍免疫を介したCML幹細胞を駆逐するための新規治療法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度分は、主に試薬の購入に充当する費用として算出していたが、予定よりも少額に収まったため、次年度に繰り越すこととした。 次年度の試薬、抗体、実験動物等に研究費を使用する予定である。 また国内、国外の学会における旅費、論文投稿料にも使用する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Decision Analysis for Unrelated Bone Marrow Transplantation or Immediate Cord Blood Transplantation for Patients with Philadelphia Chromosome-Negative Acute Lymphoblastic Leukemia in First Complete Remission2022
Author(s)
Kako S, Hayakawa F, Miyamura K, Tanaka J, Imai K, Kanda J, Morishima S, Uchida N, Doki N, Ikegame K, Ozawa Y, Takada S, Usui N, Ohtake S, Kiyoi H, Matsumura I, Miyazaki Y, Ichinohe T, Fukuda T, Atsuta Y, Kanda Y.
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Journal Title
Transplantation and Cellular Therapy
Volume: 28
Pages: 161.e1~161.e10
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Two novel high-risk adult B-cell acute lymphoblastic leukemia subtypes with high expression of CDX2 and IDH1/2 mutations2022
Author(s)
Yasuda T, Sanada M, Kawazu M, Kojima S, Tsuzuki S, Ueno H, Iwamoto E, Iijima-Yamashita Y, Yamada T, Kanamori T, Nishimura R, Kuwatsuka Y, Takada S, Tanaka M, Ota S, Dobashi N, Yamazaki E, Hirose A, Murayama T, Sumi M, Sato S, Tange N, Nakamura Y, Katsuoka Y, Sakaida E, Kawamata T, Iida H, Matsumura I, et al.
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Journal Title
Blood
Volume: 139
Pages: 1850~1862
DOI
Peer Reviewed
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