2023 Fiscal Year Research-status Report
Roles of TRPV4 for developing invasive pneumococcal-viral co-infections
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22K08585
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
保富 宗城 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90336892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 玄 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20407274)
河野 正充 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20511570)
酒谷 英樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30817317)
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
村上 大地 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30794218)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 一過性受容体電位 / 肺炎球菌 / インフルエンザ / 侵襲性肺炎球菌感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
侵襲性肺炎球菌感染症の発症において「感染によるバリア機構の破綻」と「宿主の組織修復能・免疫能」の2つの機序が重要である。肺炎球菌の鼻腔保菌から侵襲性感染症への進展を「TRPチャネル」と「ウイルス混合感染」の観点より、細菌学的、免疫組織学的、分子生物学的手法にさらに数理的モデルを組み合わせ多面的に解析する。 令和5年度は、肺炎球菌単独感染によるマウス鼻腔における感覚神経受容体と鼻腔保菌・伝播・侵襲感染の関係について、健常野生型マウスとTRPV4/TRPV1遺伝子欠損マウス(TRPV4 KO/TRPV1 KO)において、①肺炎球菌単独感染と②メチマゾールによる嗅上皮障害後肺炎球菌感染、③仔マウス間における肺炎球菌の伝播を検討した。 ① 肺炎球菌単独感染では、肺炎球菌を経鼻摂取した後のマウス鼻腔における肺炎球菌の保菌と嗅球・大脳への侵入を評価した。野生型マウス(C57BL/6J)では、肺炎球菌結成型6Aでは、鼻腔保菌から嗅球への侵入を認めた。一方、血清型19F型では鼻腔への保菌は認めたが、嗅球への侵入は認めなかった。 ② メチマゾールによる嗅上皮障害後の肺炎球菌感染においても同様に、肺炎球菌の保菌と嗅球・大脳への侵入を評価した。野生型マウスでは、メチマゾールによる嗅上皮障害により、鼻腔から嗅球への侵入が増加した。また、TRPV1阻害によりメチマゾールによる嗅上皮障害後の鼻腔から嗅球への肺炎球菌の侵入が増加した。 ③ 肺炎球菌単独感染とインフルエンザウイルスの混合感染における肺炎球菌の鼻腔保菌と伝播を評価した。肺炎球菌単独感染では、TRPV1 KOマウスにおいて鼻腔保菌数が上昇した。一方、肺炎球菌とインフルエンザウイルスの混合感染は、TRPV1 KOマウスでは鼻腔保菌数が減少するとともに、仔マウス間における肺炎球菌の伝播率は低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
侵襲性肺炎球菌感染症の発症について、「感染によるバリア機構の破綻」と「宿主の組織修復能・免疫能」の2つの側面より、肺炎球菌単独感染およびインフルエンザウイルスA型との混合感染によるマウス鼻腔における感覚神経受容体と鼻腔保菌・伝播・侵襲感染の関係について、健常野生型マウスとTRPV4/TRPV1遺伝子欠損マウス(TRPV4 KO/TRPV1 KO)において、①肺炎球菌単独感染と②メチマゾールによる嗅上皮障害後肺炎球菌感染、③仔マウス間における肺炎球菌の伝播を検討した。鼻腔組織(鼻粘膜・嗅神経・嗅上皮)の組織学的変化についての評価を行った。肺炎球菌の鼻腔から嗅球への侵入がTRPV1抑制による増強することは判明した反面、TRPV4 KOマウスでの評価がやや遅れている。TRPV4 KOマウスの個体数が少ないことで肺炎球菌単独感染との比較が困難であり、今後評価を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
肺炎球菌単独感染およびメチマゾールによる嗅上皮障害、インフルエンザウイルス混合感染によるマウス鼻腔における鼻腔から嗅球への肺炎球菌の非血行性中枢神経感染を評価する。肺炎球菌単独感染とメチマゾールによる嗅上皮障害による鼻腔バリア機構の変化におけるTRPチャネルの影響について、鼻腔組織障害と修復・恒常性維持の過程を、組織再生とタイト結合関連分子の発現変化を中心に免疫組織学手法により評価する。また、鼻腔への好中球とマクロファージの集簇をFACSで、サイトカイン/ケモカイン発現をqPCR法で評価しする。 一連の研究により、マウス鼻腔における鼻腔から嗅球への肺炎球菌の非血行性中枢神経感染におけるTRPチャネルによる制御機構を明らかにしていく。また、鼻腔からの嗅球への侵襲に対して、鼻腔における排菌と伝播が低下することを見出している。
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Causes of Carryover |
2023年度中に検討する予定であった鼻腔組織(鼻粘膜・嗅神経・嗅上皮)におけるタイト結合の評価が次年度に行われることとなり、研究に使用する薬品の購入資金の確保のため、2023年度の残額を次年度に使用することとした。
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