2023 Fiscal Year Research-status Report
移植臓器の体外治療を目指した新たな生理活性ガス送達技術の確立
Project/Area Number |
22K08706
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
畑山 直之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80534792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10384984)
伊藤 清顕 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50551420)
横田 紘季 名城大学, 理工学部, 助教 (50815876)
秦 浩一郎 京都大学, 医学研究科, 研究員 (90523118)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ラット / 肝臓 / ウルトラファインバブル / 一酸化炭素 / 酸素 / 虚血再灌流障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,一酸化炭素(CO)および酸素(O2)を含有したUFB臓器保存液を作成し,移植臓器に対するUFBの有効性を検証する。令和5年度は,CO+O2-UFB(UFB群)にて24時間保存したラット肝臓における虚血再灌流障害の保護効果について、さらに詳細な解析を行った。比較として、UFBを含有していないUW保存液にて24時間保存したUW群と,保存せずに摘出後すぐにIPRLを実施したNormal群を対照群とした。 ラットから摘出した肝臓をCO+O2-UFBを含有した保存液にて4℃で24時間保存した。その後IPRLにより肝機能(門脈灌流圧PVP,AST,ALT,LDH,胆汁産生量,酸素消費率)を測定し,組織を採取した。HE染色による形態評価を行った。UFB群のPVPは、UW群よりも一貫して有意に低く、Normal群のPVPと同様に維持された。胆汁産生量においても同様の傾向が見られた。IPRL灌流液中の肝酵素とLDHを経時的に測定し、Normal群、UW 群、および UFB 群で比較した。IPRLの60分時点では、UFB群のASTおよびLDHレベルは正常群と有意な差はなかったが、UW 群はNormal群より高かった。 IPRLの120分時点においても、AST、ALT、およびLDH値は同様の傾向を示した。IPRL後の肝組織の観察(HE染色)では、 Normal群とUW+UFB群では組織構造は正常であったが、UW群では中心静脈周囲の空胞化組織と類洞の障害が確認された。 CO+O2-UFBを含有した保存液にて24時間保存したラット肝臓は、肝機能や組織構造が摘出直後の肝臓同様に保たれることが示された。この結果はCO+O2-UFBが、臓器の代謝を抑え、また再灌流障害が軽減することを示し、ECD臓器に対する効果が期待できる結果であったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット肝臓保存にてCO+O2-UFBが虚血再灌流障害の軽減効果を発揮することがわかった。また対照群との比較により、既存の保存法よりも有意に肝機能を維持し、再灌流障害を軽減することがわかった。これにより次年度以降のDCD肝への実験へ着実に進んでいける。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,CO+O2-UFBを用いたラット肝臓保存にさらに解析を加え、UFBの虚血再還流障害軽減の機序を検討していく。免疫化学染色による細胞死・過酸化ストレスの定量を行い,Real-Time RT-PCRなどによる分子生物学的解析を加える。そして心停止させたラットドナー肝臓へCO・O2-UFBによる灌流を行い、検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
令和5年度は, 100,000円の翌年度繰越額を計上した.本年度の評価・解析は、自身の研究室中心に行ったため、研究分担者に配分した分の予算を使用しなかった。 令和6年度は,ラットを用いた肝保存実験の評価・解析を分担者の研究室で行う分があるため,未使用額はその経費に当てることとしたい.
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