2023 Fiscal Year Research-status Report
羊膜を模倣する安全で機能的な再生医療材料:鱗コラーゲンを用いた注入可能な足場材料
Project/Area Number |
22K08763
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
辻本 洋行 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (20521272)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 再生医学 / 足場材料 / 羊膜 / 幹細胞 / 鱗コラーゲン / 注入可能 |
Outline of Annual Research Achievements |
意義と目的:分娩の際の付属物である羊膜は、一方で優れた再生医療材料として近年注目されている。しかし羊膜は感染症や拒絶反応等の問題を有し、また人工的な加工や3次元的使用もできない。そこでこれまで我々はH25-27、H28-30年度科学研究費助成研究において、安全で且つ加工性に優れ機能的な羊膜模倣再生医療材料を開発し、その基礎的検討より組織・臓器再生に応用できる可能性について報告した。更にH31-R3度科学研究費助成研究においては、従来の牛豚の皮や骨由来のコラーゲンに比べ人畜共通感染症の問題が無いより安全な魚類の鱗コラーゲンを用いた改良を行い、より優れた細胞増殖能や分化能を有することを報告した。本研究においては更にこれを発展し、特に注入可能な新しい機能的足場材料を作成することを目的とし、その基礎的な特性や効果および今後の臨床応用の可能性について検討を行うこととする。 方法:令和5年度においては、鱗由来のコラーゲンを用いて注入可能な新しい機能的足場材料を作成するために、まずその基礎的条件等の検討と、組織的な反応や効果判定を行うために動物投与にて随時検証実験を行った。 結果:基礎的条件検討のex vivo実験を行い、注入濃度や注入量、また配合組成・配合比や使用するデバイス等、数条件の有望な候補条件を選定した。次にその条件を検証するため、設定条件に従い実際にラットを用いた動物実験を行った。これまで特にまずは早期の組織反応や効果について解析を行ったところ、鱗コラーゲンを用いた注入剤は従来法に比べ比較的組織の反応や再構築についてより良好な結果が示された。今後より長期の投与等や詳細な組織解析等の詳細な実験解析を行い、その反応や効果について順次検証を行ってゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鱗コラーゲン等の資材の入手の遅れ(供給元との契約の関係上での供給の遅れや流通量の不足等による)
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Strategy for Future Research Activity |
入手が遅れていた鱗コラーゲン等の資料については、現在確保できる様になってきており、23年度はそれらを用いた基礎的検討や動物実験を順次行っている。
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Causes of Carryover |
理由:現在までの達成度の項にても記載したが、鱗コラーゲン等の資材の入手の遅れ(供給元との契約の関係上での供給の遅れや流通量の不足等による)等の理由により、特に22年度に研究の遂行にが遅れたために、23年度に生じた次年度使用額が次年度にも繰り越され累積している。
使用計画:今後の研究の推進方策の項にても記載したが、入手が遅れていた鱗コラーゲン等の資料については、現在確保できる様になってきており、23年度以降はそれらを用いた基礎的検討や動物実験を順次行っている状況にあり、今後も遂行してゆく予定である。
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