2022 Fiscal Year Research-status Report
血中exosome内circRNA発現解析による膵癌の診断・予後関連マーカー探索
Project/Area Number |
22K08789
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柿坂 達彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (40583092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲池 浩文 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (60374237)
長田 直樹 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70416270)
神山 俊哉 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80322816)
折茂 達也 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80711861)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 / バイオマーカー / exosome / circular RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は早期発見が困難で進行した状態で診断されることが多く、予後不良な疾患である。本研究では、膵癌患者血清中に分泌されるexosomeを単離し、exosome内に存在する膵癌患者固有のcircular RNA (exo-circRNA) を同定することで、早期診断マーカーあるいは予後マーカーとしての意義を明らかすることを目的としている。具体的には以下の3点である。① public datasetの解析による膵癌患者特異的なexo-circRNAの同定、② 膵癌血清臨床検体を用いたexo-circRNAの測定、③ 膵癌患者の臨床病理学的情報とexo-circRNA発現量を比較し、バイオマーカーとしての意義を検討 まず、①に関して解析を進めた。膵癌患者(GSE100232)、肝細胞癌患者(GSE100207)、大腸癌患者(GSE100063)、健常者(GSE100206)の4群の血液中exo-circRNAに関するpublic datasetの統計解析を行い、膵癌患者で有意に発現が変動しているexo-circRNAを36個検出した(p<0.01)。今後、発現量などからexo-circRNAの数を絞り込んでいき、有用なバイオマーカーを同定する予定である。 並行して、②に関して予備実験を行った。臨床検体の血清からexosomeを抽出し、さらにそこからRNAを抽出する実験系を確立することを試みているが、RNAの収量が少なく時間を要している状態である。 実験系が確立した後、③に関して膵癌患者の臨床病理学的情報とexo-circRNA発現量を比較し、診断あるいは予後マーカーとしての意義を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Public datasetの統計解析から候補となるexo-circRNAは36個に絞り込まれた(p<0.01)。今後、発現量などからさらに数を絞り込んでいく予定である。 現在、exosome中のRNA抽出の実験系の確立に時間を要している。現状では、血清200ulからexosomeを抽出し、さらにそこからRNAを抽出しているが、RNA収量が少なく、qPCRでの増幅が悪いため、今後の実験に進めていくのが困難な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現状のRNA収量が少ない問題に対しては、解析する血清量を増やして対応していく予定である。また、exosome抽出に際して、現在はexosomeを沈殿させるキットを用いているが、exosomeをメンブレンに補足させるキットもあるので、収量が多い手法に変更する可能性もある。 RNA抽出の手技が確立した場合、多検体を用いて候補となるexo-circRNAのqPCRを行う予定である。さらに、膵癌患者の臨床病理学的情報とexo-circRNA発現量を比較し、診断あるいは予後マーカーとしての意義を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
多検体のRNA抽出を必要とする研究であるが、今年度、RNA抽出の実験系確立に時間を要しており、RNA抽出キットの購入量が少なかったことが原因である。 次年度は、多検体を処理するのに必要なRNA抽出キット、またqPCRの試薬といった消耗品の購入に次年度使用額を用いる予定である。
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