2022 Fiscal Year Research-status Report
Novel treatment strategy for pancreatic cancer based on cancer neuroscience
Project/Area Number |
22K08796
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
森田 剛文 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60464129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 真 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50839157)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Cancer neuroscience / 膵癌 / 神経周囲浸潤 / 癌微小環境 / 細胞間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は早期から浸潤や転移をきたしやすく、集学的治療が進歩した現在でも極めて予後不良であり、新規治療法の創出が強く望まれている。膵癌の特徴の一つとして、極めて高頻度に神経周囲浸潤を伴い、予後不良因子の一つである。神経周囲浸潤は膵癌細胞-神経細胞間における分子レベルでの相互親和性が関与しているとされるが、その詳細なメカニズムは未だ不明である。これまでに我々はin vitro膵癌-神経細胞共培養モデルを確立し、神経周囲浸潤に関する研究成果を報告してきた。このモデルは癌細胞と神経細胞をマトリゲルに包埋した状態で共培養することによって、経時的に両細胞の挙動と相互作用を観察できる。また、癌細胞と神経細胞の組み合わせだけで無く、癌細胞・神経細胞・線維芽細胞や癌細胞・神経細胞・マクロファージといった、より複雑な生体内の癌微小環境を模倣する実験系に発展させることが可能である。本研究ではこのin vitro膵癌-神経細胞共培養モデルを従来よりも発展させ、膵癌細胞と神経細胞、線維芽細胞を共培養する実験を計画した。 膵癌細胞株(Miapaca-2、PANC-1、BxPC-3、Capan-2)と1日齢マウスから採取した後根神経節(Dorsal root ganglia: DRG)に加え、膵星状細胞(PSC)を加えた状態で共培養を行い、癌細胞の遊走能や神経線維の伸長作用を確認したところ、癌細胞株の遊走能が大幅に亢進した。 膵癌細胞株・DRG・PSCを共培養し、培地中に含まれる液性因子の網羅的解析を行ったところ、SPARC(secreted protein acidic and rich in cysteine)やFibronectinなどが上位で検出された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画則り、以下の研究実績が得られているため。 膵癌細胞株(Miapaca-2、PANC-1、BxPC-3、Capan-2)と1日齢マウスから採取したDRGに加え、膵星状細胞(PSC)を加えた状態で共培養を行い、癌細胞の遊走能や神経線維の伸長作用を確認したところ、癌細胞株の遊走能が大幅に亢進した。 膵癌細胞株・DRG・PSCを共培養し、培地中に含まれる液性因子の網羅的解析を行ったところ、SPARCやFibronectinなどが上位で検出された。
|
Strategy for Future Research Activity |
膵癌細胞株(Miapaca-2、Panc-1、BxPC-3、Capan-1)とDRGを共培養し、培地中に含まれる液性因子(サイトカインやGrowth factor、エクソソームなどが含まれる)を回収する。 今年度の実験で変化の明らかとなったSPARCやFibronectinを直接阻害または受容体を阻害した条件で共培養を行い、癌細胞の遊走能や神経線維の伸長作用が変化するかどうか確認する。 膵癌自然発生モデルマウス(KPCマウス)に候補物質を投与し、神経浸潤や癌の進行が抑制されるか確認する。
|