2022 Fiscal Year Research-status Report
人工知能を用いた食道癌の気管・気管支浸潤の診断ー診断基準の確立ー
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22K08804
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 聡史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (20565311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 博明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40403745)
後藤 正和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (00437659)
井上 聖也 徳島大学, 病院, 講師 (50563813)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道癌 / 気管・気管支浸潤 / コンベックス型超音波気管支鏡 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌は胸部中部にその7割が発生し食道外膜浸潤に及ぶ進行癌が非常に多いことから、しばしば隣接する気管・気管支に浸潤する。しかしながら、これまで食道癌の気管・気管支への浸潤診断には明確な基準が存在せず、曖昧な診断しかなされていなかった。当科で取り組んできたコンベックス型EBUSによる診断は、プローブの特徴と食道と気管・気管支の解剖学的位置関係をマッチさせた新しい診断法でこれまで報告がない。しかも、「気管気管支膜様部の外膜を直接観察できる」唯一のモダリティであることから、これまでのCT・MRIとは明らかに一線を画する。今回のプロジェクトでは、これまで行ってきた進行食道癌の気管・気管支浸潤の新規診断法であるコンベックス型 EBUSによる問題点を克服するとともに、超音波造影剤・AIを用いてさらなる診断能の向上に取り組み、EBUSの所見を主軸とした新しい診断基準の作成とそれに基づいた治療戦略を構築することを目的とする。 【R4年度】 通常のモダリティ(CTなど)で気管・気管支に接するcT3以上の進行食道癌患者 4患者、5検査に対して局所麻酔下にコンベックス型EBUSを挿入し、超音波像を評価、検証した。主要評価項目である有効性(腫瘍と外膜のコントラスト比)についてはすべてで評価可能であった。副次的評価項目である安全性(検査による有害事象の発症)については4患者、5検査で問題となる有害事象の発症はなかった。今後、10例終了時点に、他科の医師によりモニタリングとして主要評価項目と有害事象を再度検証する予定である。検査画像としては動画データを含めて集積していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は4患者、5検査を施行した。現在までに2015年~2019年に当科で行った気管・気管支に接する進行食道癌に対して57検査が実施されている。これまでに得られた動画データを準備し、深層学習人工知能(deep learning approach AI)を用いたコンベックス型EBUSによる気管・気管支浸潤診断アルゴリズムの検証を行っていく予定のため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き対象症例を集積していく。加えて、深層学習人工知能(deep learning approach AI)を用いたコンベックス型EBUSによる気管・気管支浸潤診断アルゴリズムの検証を行う。当科で行った気管・気管支に接する進行食道癌50例に加え、同時期に当院呼吸器外科で肺癌の診断目的にEBUSを行った50例の計100例で検討する。EBUS画像のうち、正常部200枚(気管1枚+気管支1枚/例)、腫瘍部100枚(腫瘍最大割面2枚/例)を、ResNet、DenseNet、Inception-ResNet、Inception、Xceptionを用いたdeep convolutional neural network(DCNN)にオリジナルデータとして画像を登録する。そのうちの80%である240枚をトレーニングデータとして、20%である60枚をテストデータとして設定する。臨床経過から最終的に診断された浸潤の有無をoutputとして、モデルトレーニングを行い、テストデータの診断結果から正診率(感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率)を算定する。AIによる診断能を食道科認定医(3名)と呼吸器外科専門医(3名)のそれぞれの診断能と比較する。
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Causes of Carryover |
本研究における気管浸潤診断検査を既存の機器・試薬を用いて行ったため、試薬などの費用を使用せず、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した研究費とあわせて、学会発表やAI学習に掛かる諸経費として使用予定である。
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