2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of new preoperative therapy for esophageal cancer based on the dynamics of tumor-infiltrating lymphocytes
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22K08892
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
押切 太郎 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (30771498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
掛地 吉弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
齋藤 雅史 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80826321)
高村 史記 近畿大学, 医学部, 講師 (90528564)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道癌 / 術前化学療法 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 組織滞在型メモリーCD8+T細胞 / 空間的情報 / RNA解析 / 人工知能イメージサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は免疫チェックポイント阻害剤(Immune checkpoint inhibitor: ICI)併用による新規食道癌術前療法の開発を目指すものである。食道癌治療における術前化学療法(Neoadjuvant chemotherapy:NAC)後の治療成績の改善にはICI の併用が期待される。食道癌NAC 症例における腫瘍免疫微小環境(Tumor immune microenvironment: TIME) をICI の標的とされる組織定着型免疫記憶 (レジデントメモリー、tissue-resident memory) CD8+T 細胞(CD8+TRM)の動態に着目して深層学習アルゴリズムを基盤としたイメージサイトメトリーを用いて組織学的解析する。さらにCD8+TRMの動態に関する組織の空間的RNA解析を行い、 抗腫瘍免疫応答で重要な働きをなすCD8+TRM の誘導法を確立する。CD8+TRMに関連する空間的情報を取得することにより、治療に効果的な免疫細胞の空間的分布と機能性を明らかにする。深層学習アルゴリズムによる病理組織解析は、①多重免疫染色および形態認識による細胞の識別、②細胞の位置情報のデータ化が特徴であり、同一の組織切片からより多くの情報を迅速かつ客観的に取得することを可能にする。人間では実際に測定困難な細胞間距離の測定を組織評価のパラメータとして用いることにで、解析効率を取得情報を正確かつ再現性の高いものにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多重免疫染色の条件設定についてはほぼ完了し、CD8+TRM(CD103+CD8+)は分化過程の症例の集積を行っている。機械学習アルゴリズムを基盤とした画像解析システムである組織イメージサイトメトリーCu-Cyto のアノテーション作業を行っている。大腸癌で既に精度を高めたアルゴリズムを転移学習させ、食道癌での解析における効果的な学習精度を得ている。 食道癌における TRM を中心とした TIME の構成細胞や組織構造の高精度検出が可能であり、本研究では、深層学習アルゴリズムを用いたハイスループット画像解析手法を導入し、すでにCD8+TRMは検出精度が90%以上を達成している。試験解析は、免疫染色の準備が完了し、既に施行されている。この解析所見は肉眼所見に大きく矛盾しない、分化過程の所見が再現できている。これに伴い、co-localization index解析を行っている。一部の組み合わせのデータ取得は可能であるが、10種類以上ある細胞の組み合わせによる網羅的な細胞間距離情報取得(リサーチモード)を機能的に機能させる必要がある。この細胞検出アルゴリズムである、Kernel-bit pattern filteringや、On-Target 学習アルゴリズムの精度管理、精度評価を行う必要があるため、可及的早急にその管理と評価を行っている。また、本研究の4‐Nitroquinoline 1‐oxide (4‐NQO)誘導型食道腫瘍モデルの導入を予定しているが、計画が進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
Cu-Cytoによる食道癌解析の計画はある程度順調に進行している。しかし、Cu-Cytoそのものの客観的評価が必要であり、この精度検証を進める必要性があるため、これを急速に進めている状況である。また、Co-localization index のリサーチモードに関しては、インフォマティストの協力が必要であるため、共同研究先、委託先を検討している。 マウスモデルに関しては、導入が現実的な段階に達しておらず、事態はやや深刻である。このため、まず、誘導型卵巣癌モデルや大腸癌自然発生モデルの採用を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染による制限により、円滑に研究を進める上で、障壁となっており、新たな実験に対するハードルがやや高く、抗体の取得が困難な状況である時期があった。また、深層学習アルゴリズムのアノテーション作業にやや時間と手間を要しており、この過程の見直しが必要な状況である。一部の研究の遅延を招いた。
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Research Products
(2 results)