2023 Fiscal Year Research-status Report
Predictive Factors of myocardial recovery after VAD implantation in severe heart failure pediatric patients
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22K08919
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平 将生 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (90624651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 然 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00896508)
渡邊 卓次 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (80838582)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心筋症 / 小児心臓移植 / 補助人工心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児重症心不全患者における、補助人工心臓装着による心機能回復メカニズムを検証するために、昨年度までに収集した臨床検体(不全心筋組織)及び臨床検査データ(心臓超音波検査、心臓カテーテル検査、血液検査等)を元に、解析を中心に行い、結果を公表した。 補助人工心臓装着後の心機能回復と心臓超音波検査書記録により測定されたLA strainとは相関が認められた。補助人工心臓装着前の一定のLA strain値前後(ROC解析にてカットオフ値を設定)で、術後の心機能回復の可能性を予測できることが判明してきている。これらの値は左室拡張末期圧との関連が示唆され、心機能回復を見込める症例の一定の新たなマーカーになり得ることがわかった。一方で、LA strain値と心筋組織の線維化程度との有意な相関は認められず、症例数の蓄積などさらなる検討を要することがわかった。 また、患者より採取した疾患特異的iPS細胞のシングルセル解析を行なった。心不全マーカーとして使用されているBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)発現経路(詳細は公表不可)の一部に、拡張型心筋症の新たな治療及び創薬ターゲットとなりうることが判明した。これらの詳細については、現時点では検討を行なっている段階であり、引き続き拡張型心筋症の機能不全メカニズムについてのさらなる検討が必要である。 これらの結果を国内学会および国際学会で発表することができ、論文化する準備を整えている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
想定していた仮説を立証するためのデータの取得がやや遅れていること、当初予定していた解析を進めることに難渋していることなどから全体の進捗は若干遅延している。 また、学会発表等の公表のために、昨年度までのデータの解析の再検証に時間を要しており、新たな結果を求めるための時間を確保できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新たな心不全患者の臨床検体の採取から、症例数の蓄積を行うこと。また、疾患iPS細胞を用いた心不全メカニズムの解析をさらに進め、創薬および治療ターゲットとなる部位の詳細検討を行なっていく予定である。 引き続き、これまでの結果を公表(学会発表及び論文投稿)を行う予定である。
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Causes of Carryover |
前年度までに取得した臨床検体及び患者医療情報、その他の解析結果からの観察研究を中心に研究を進めたことで、学会発表や論文発表という形で成果を出すことができた。一方で、実費として経費がかかる解析等には、当初計画していたほどの費用はかからず、残額が生じたものである。
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